芥川賞と直木賞の贈呈式 受賞の4人が喜び語る

東京, 2月23日, /AJMEDIA/

第168回の芥川賞と直木賞の贈呈式が22日、東京都内で行われ、受賞した4人の作家が喜びを語りました。

第168回の芥川賞と直木賞は先月の選考会で、芥川賞に井戸川射子さんの「この世の喜びよ」と佐藤厚志さんの「荒地の家族」の2つの作品、直木賞に小川哲さんの「地図と拳」と千早茜さんの「しろがねの葉」の2つの作品がそれぞれ選ばれました。

22日、東京都内で賞の贈呈式が開かれ、受賞した4人に記念品と賞金の目録が贈られました。

このあと、受賞者があいさつを行いました。
芥川賞 井戸川射子さん「怖さにあらがうため文章を書いている」
芥川賞の井戸川さんは「思い出を忘れていくことや人と人とが争うこと、かろうじてここに立っているような不安定さで生きていることなど私には怖いことがたくさんありますが、怖さにあらがうために文章を書いているんだと思います。これからも一生懸命書いていきます」と思いを語りました。
芥川賞 佐藤厚志さん「人や場所の間に立ち回路になる小説を」
また、同じく芥川賞を受賞した佐藤さんは、地元・宮城県の方言を交えながら「仙台に帰って母親に芥川賞受賞を報告したら『頑張ればもう1回取れるのでは』と言われたので『頑張ってみる』と答えました。これからも少しずつ書いていきたいと思っています。人や場所の間に立って回路になるような、そういう小説を書いて、作家になっていけたらいいと思っています」と話していました。
直木賞 小川哲さん「読者の自分にこたえられる小説を」
直木賞を受賞した小川さんは「僕はそもそも自分が小説を書いているという実感があまりなくて、自分が書いたものを読んでいる感覚です。自分が読者としておもしろい小説を読みたいし、読者としての自分にこたえられるだけのおもしろい小説をこれからも書いていけたらと思っています」と話していました。
直木賞 千早茜さん「時間すら超える作品を」
また、同じく直木賞を受賞した千早さんは「先輩作家さんに『会場に行ったら自分の大好きな人が祝ってくれるから本当にうれしい気持ちになるよ』と言われて、今、その気持ちを感じています。小説というものは目で見えないものを書く媒体だとずっと思っています。匂いとか肌触りとか人の感情とか、写真では写らない、記録に残らないもの、時間すらも超える、そういう作品をこれからも書きたいです」と話していました。

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