変わるミスコン 皆さんはどう思いますか?

東京, 11月26日, /AJMEDIA/

大学の文化祭などで開催されてきた、ミスコン。
時代とともに、その在り方も変わってきています。
自治体の観光PR役を選ぶコンテストにも変化が…

変わるミスコン、皆さんはどう思いますか?

男女混合「ミス・ミスターコンテスト」
11月5日に京都の龍谷大学で開かれた学園祭。
これまでは女子学生向けの「ミスコンテスト」と男子学生向けの「ミスターコンテスト」をそれぞれ開催していました。

しかし、今年は男女をひとまとめにした「Ryukoku Contest」に。
容姿や男女らしさが注目され評価されるのは、ジェンダーの観点から今の時代に合わないなどとして、今年から見直されました。

参加者の服装も自由で、ダンスや合気道などそれぞれの個性をアピールしました。
実行委員長
「男女混合にすることによって出場者の内面がより見えたと思います。歴史あるコンテストを時代によって変えながら続けていきたいです」

日本大学法学部も、今年からミスコンテストとミスターコンテストを分けずに開催するなど、同じような動きは各地で広がっています。

ミスコンやめた!
一方で、ミスコンを取りやめたという大学もあります。
福岡の九州大学です。

毎年、学園祭のメイン企画の1つとして、ミス・ミスターコンテストを開いてきましたが、出場希望者が減ったことや、ルッキズムにつながるということで、今年からやめました。

代わりに開いたのが「九大王」というイベントです。
外見ではなく、パフォーマンスの内容など個性を重視して九州大学の顔となる学生を選ぼうというもので、個人でも団体でも応募できました。

男女混合のチアリーディングチームや、マジックサークルなど7組がそれぞれ個性をPRし、ギターと歌を披露した2人組が優勝しました。
実行委員会 担当者
「毎年、この時間はミスコンをしていましたが、出たいという人が年々減少し、変えなきゃいけないということで、パフォーマンスの部分だけをメインにやろうというステージを新しく作りました。今の時代に合ったスタイルなのかなと思っています」

厳しい姿勢の大学も
ミスコンの開催に厳しい姿勢をとっている大学もあります。

法政大学は4年前、ホームページで学生向けにこう周知しました。

「ミス/ミスターコンテスト」のように主観に基づいて人を順位付けする行為は「多様な人格への敬意」と相反するものであり、容認できるものではありません。

いかなる主催団体においても「ミス/ミスターコンテスト」等のイベントについては、本学施設を利用しての開催は一切容認されないものであることをご承知おきください

また早稲田大学も、学生課のホームページで周知しています。

ミスコンテストやこれに類するイベントの開催を一切認めていません。また、こうしたイベントを企画している団体に対して、学内の施設貸与等のいかなる便宜供与も行っていません

こうした大学では、大学名をつけたミスコン、ミスターコンテストは、行われていないようです。

「実行委員会と大学は関係ない」として…
ただ、ミスコンがなくなったというわけではありません。

「実行委員会は大学とは関係ない」などと断ったうえで、大学のイベントとは別に開催するようなケースも見られます。

例えば、青山学院大学の場合、2年前から、学園祭のイベントとは別にミスコンとミスターコンテストを開くようになりました。

青山学院大学は、ジェンダー平等やルッキズムを含む論点について、大学と学生とで意見交換を経て、公認団体ではなく外部団体として活動していくことを決めたとしています。

一方、創立者の福沢諭吉が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という名言を残した慶應義塾大学。

「大学がミス・ミスターコンテンストを主催することはありません。外部団体等が主催するものに関して、大学として関与しません」としています。

大学として公式に認めているものではないと、一線を画している形です。

SNSも戦いの舞台に
一方、ミスコンなどの舞台は、学園祭からSNS上へと移っているようにも見受けられます。

参加者はそれぞれ「旧ツイッターのX」や「インスタグラム」「ティックトック」などSNSのアカウントをつくっています。

ネット上で自己PRを行い、WEB投票やライブ配信のポイントなども審査基準になっているケースも多く、ネット上の発信力も問われる時代になっています。

また、企業もバックアップしています。
候補者たちと一緒にイベントを行ったり、ポスターを掲示したり…

コンテストの選考過程が可視化されることで、候補者がタレント化している側面もうかがえます。

自治体のミスコンも変化
大学だけでなく、自治体などが観光PRのために開くミスコンにも変化が見られます。

淡路島観光協会はこれまで、観光PRを行う「クイーン淡路」を女性限定で選んでいました。

しかし、ジェンダーレスなどに配慮して、今年からは18歳以上で淡路島にゆかりがあれば誰でも応募できる「淡路島観光アンバサダー」に改めました。

選ばれた4人のうち3人は女子大学生、もう1人は50代の池田正和さんです。

淡路島に移住し、不動産会社を営む池田さん。

島の外から見た目線で魅力を発信してくれることを期待して選ばれたそうです。

池田さんは観光アンバサダーとして、観光協会が主催するイベントやSNSで魅力を発信したり、地元のケーブルテレビのMCなどを行ったりしているということです。

観光協会によると、40年以上続いてきた「クイーン淡路」の名前がなくなるのはさみしいという声もあがったそうですが、時代に合わせて新しい「観光アンバサダー」に変えていくという説明には理解が得られているということです。

また取材で取り上げられる機会も増え、淡路島のPRにもつながっているということです。

一方、「クイーン淡路」には、いろんなイベントや式典を行う団体から声がかかってきたそうですが、池田さんへの派遣要請はまだ少ないそうです。

淡路島観光アンバサダー 池田正和さん
「淡路島を1周する自転車イベントのPRに携われるなどやってよかったと思います。イベントには女性が指名されることも多いですが、新しいことにチャレンジしたい人は観光アンバサダーに応募してほしいと思います」

「ミスひまわり」から「ひまわり」に
また、群馬県伊勢崎市の観光物産協会も、去年から「観光大使ミスひまわり」を「観光特使ひまわり」に変えました。

応募資格の「未婚女性」をやめ、性別も女性に限定、国籍も問わないようにしました。

去年、選ばれた3人のうち1人は、両親がペルー出身の男性で、イベントの司会のほか、ラジオやテレビなどにも出演して、伊勢崎の魅力をPRしたということです。
今年10月からは、新たに女性3人が選ばれ、このうち1人は子育て中の女性で、初めての「ママひまわり」とPRしています。

変わるミスコン どう思いますか?
時代の変化とともに模索が続く「ミスコン」。

大学や自治体が、ジェンダー平等や、ルッキズムを助長することがないように配慮しているのがうかがえます。

「大学名」や「地域名」が冠としてつくことで、全体のイメージのように受け取られる面もありますし、抵抗がある人がいるのも事実です。

一方で、容姿もまた個性の一つではあるので、そういう人の活躍の舞台があってもいいという声も聞かれます。

変わるミスコン、皆さんはどう思いますか?

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