芥川龍之介「三つの指環」初掲載は医学雑誌 謎の1つが解明

東京, 03月05日 /AJMEDIA/

これまで発表の経緯が分かっていなかった文豪・芥川龍之介の「三つの指環」という作品が最初に掲載されたのは医学雑誌だったことが、専門家の調査でわかりました。専門家は、芥川をめぐる謎の1つが解明されたとしています。

芥川龍之介の「三つの指環」という作品は魔法の指輪を手にした3人の登場人物が、指輪の力に頼らず幸福を手に入れる物語です。

全集には収録されていますが、最初に掲載された雑誌や時期など発表の経緯は不明とされていることから、東京の博物館の研究員・木口直子さんは芥川の古い資料を手がかりに調査を進めていました。

その結果、明治時代に設立された京都府立医大の図書館に所蔵されている、大正12年に発行の医学雑誌、「體性」(たいせい)という月刊誌の4巻6号に掲載があったことを確認したということです。

木口さんは時期などからこれが最初の掲載だと分析しています。

「三つの指環」の内容は病気とは全く関係ありませんが、この医学雑誌の創刊者は芥川と同じ、現在の東京大学を卒業しているということで、木口さんは、そのつながりで芥川に寄稿の依頼があったのではないかとみています。

調査を行った田端文士村記念館の研究員、木口直子さんは「医学の雑誌に文学者の作品が掲載されることはかなり珍しい。長い間の謎が解ける貴重な発見になった」と話しています。

京都府立医大附属図書館の池谷博館長は「大変驚きました。歴史ある図書館がある大学として発見に貢献できて光栄です」と話していました。

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