名探偵 金田一耕助の映画フィルム発見 70年前公開も所在不明に

東京, 02月26日 /AJMEDIA/

70年前に公開されたあと所在が分からなくなっていた名探偵・金田一耕助が主人公の映画のフィルムが見つかりました。
見つかったのは、横溝正史の小説が原作で1954年に公開された映画、「悪魔が来りて笛を吹く」の16ミリフィルムです。

主人公の金田一耕助を演じるのは戦前から戦後にかけて活躍した時代劇スターの片岡千恵蔵さんで、くたびれたはかま姿というイメージとは異なり、スーツ姿でアクションも見せる二枚目のキャラクターとなっています。

そして、ファンの間でも人気が高い奇妙な占いのシーンや、物語の鍵を握るフルートの演奏の場面も描かれています。

映画の配給会社によりますと1950年代のフィルムは所在が分からないものが多く、この映画も台本は残っていましたが、映像は確認できていませんでした。

フィルムを発見した二松学舎大学の山口直孝教授は「映像を見ると没落華族の退廃ぶりや終戦後の日本の混乱状況など同時代の映画ならではの空気感がある。背広を着た行動型の探偵となっているが、謎解きの部分を含めてやはり金田一の映画と感じた」と話していました。

フィルムは配給会社に寄贈され、一般にも公開できるよう修復作業が検討されているということです。

東映「奇跡に近い発見」
映画やドラマでも人気の高い金田一耕助シリーズは1947年から1956年にかけて時代劇のトップスターだった片岡千恵蔵さんが初代・金田一を演じて、6つの作品が映画化されました。

6作品のうち、今回見つかった「悪魔が来りて笛を吹く」以外では、「八つ墓村」と「犬神家の一族」のフィルムがいまだに見つかっていないということです。

今回見つかったフィルムは当時、地方の映画館での上映に使われていたものと見られ、東映の梨田日色 映像資産管理室長は、「70年近くたったフィルムがこうして視聴できる状況で残っていたということで、奇跡に近い発見だと思います。1950年代から60年代は映画の黄金期で新作を作ることに注力していましたが、フィルムが劣化する前に資産として残すことも映画会社の使命だと思うので後世につないでいきたい」と話していました。

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