声優 TARAKOさん死去「ちびまる子ちゃん」まる子の声演じる

東京, 03月09日 /AJMEDIA/

人気アニメ「ちびまる子ちゃん」で主人公、まる子の声を34年にわたって演じ、幅広い世代に親しまれてきた声優のTARAKOさんが今月4日、病気のため亡くなりました。63歳でした。
TARAKOさんは群馬県出身で、1980年代のはじめから声優として活動をはじめ、数々のテレビアニメや映画に出演しました。

このうち、アニメ「ちびまる子ちゃん」では、1990年の放送開始から、主人公の小学生、「まる子」の声を34年にわたって演じました。

TARAKOさんの個性的な声とユニークなせりふ回しは明るく、家族や友達思いの「まる子」のキャラクターを印象づけ、幅広い世代から人気を集めました。

テレビ番組のナレーターとしても活躍し、NHKの「ニッポンぶらり鉄道旅」では愛らしいナレーションで旅の魅力を伝えるなど、数多くの番組で親しまれました。

また、30年ほど前に声優の仲間らとともに劇団を立ち上げ、去年12月にはみずから脚本と演出を手がける公演を行うなど、最近まで精力的に活動していました。

関係者によりますと、TARAKOさんはことしに入ってから体調を崩し、療養しながら仕事を続けていましたが、容体が急変し、4日の未明に亡くなったということです。

「まる子」家族や友人役の声優たちのコメント
「ちびまる子ちゃん」の公式サイトなどには、TARAKOさんが演じた「まる子」の家族や友人役の声優たちと番組のスタッフが追悼のコメントを寄せています。

お父さん役の屋良有作さん
お父さん役の屋良有作さんのコメントです。

「タラちゃん、突然のお別れに言葉が見つからず、ただ茫然とするばかりです。つい最近まで、毎週収録の度、スタジオでお会いしていたのに。長い間、どんな状況の時にも番組の座長として、気丈で優しく、そしてしなやかに、私達を牽引して下さいましたね。もう、あなたの明るくお茶目なあの笑顔に出会うことは出来なくなりましたが、いつまでも私達の心の内に、いくつもの思い出と共に残り続けます。タラちゃん、今まで本当にたくさんありがとう!どうか安らかにおやすみ下さい」

お母さん役の一龍斎貞友さん
お母さん役の一龍斎貞友さんのコメントです。

「唯一無二の存在が旅立ってしまいました。いつも誰にも気を配る心遣いの達人だったタラちゃん。この喪失感を埋めるすべを見つけられません」

おじいちゃん役の島田敏さん
おじいちゃん役の島田敏さんは、まる子の祖父、友蔵が劇中でよく詠んでいる俳句の形でコメントを寄せました。

「胸つまる『何だい?まる子』言えなくて 友蔵 タラちゃんに捧ぐ心の俳句」

おばあちゃん役の佐々木優子さん
おばあちゃん役の佐々木優子さんは、劇中の設定である祖母の立場での思いも明かしています。

「明るくて、楽しくて、人にも動物にも、命あるすべてに愛をふりそそぐ人でした。でも、こんなに急に、突然、婆さんより先に逝ってしまうなんて…そこだけは親不孝者だよ、まる子や…」

お姉ちゃん役の豊嶋真千子さん
お姉ちゃん役の豊嶋真千子さんのコメントです。

「大好きなTARAKOさん、突然のお別れとなりまだ信じられない気持ちでいっぱいです。アフレコの時、あったかい笑顔で「楽しいね~」と言っていたあの優しい声に励まされてやってきました。話したいことや、一緒にやりたいことが沢山ありました。「お姉ちゃん」として「まる子」と過ごした時間はまだ思い出には出来そうにありません。『さよなら』の代わりにTARAKOさんの好きだった言葉を。『ありがとう、またね~!』」

まる子の友人 たまちゃん役の渡辺菜生子さん
まる子の友人、たまちゃん役の渡辺菜生子さんのコメントです。

「TARAKOさんとは、番組のまるちゃんとたまえのように、より近く心を通わせて、公私共に過ごさせて頂きました。共有した大切な時間は、私の中で、今でもきらきら輝いています。心より感謝しています。ご冥福をお祈りいたします」

番組スタッフ「ちびまる子ちゃん そのものでした」
番組のスタッフのコメントです。

「放送開始から34年間、まる子を演じていただいたTARAKOさんは、『ちびまる子ちゃん』そのものでした。TARAKOさんは、収録現場でも常に周りを思いやり、温かく、明るく元気に場を和ませてくださる方で、”ちびまる子ちゃん”の天真爛漫で、家族や友達から愛される姿、そのものでした」

「最後まで病棟でも収録をしたいと意欲的で、大きな愛情をもって『ちびまる子ちゃん』に向き合ってくださいました」とTARAKOさんの最近の様子も明かした上で

「急な訃報に驚きを隠せませんが、TARAKOさんが演じてくださった”ちびまる子ちゃん”をこれからも温かく、大切に描き続けていきたいと思います。TARAKOさん、長い間、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします」

さくらプロダクション「動くまる子作り上げて下さった」
さくらももこさんの事務所「さくらプロダクション」はコメントを出しました。

「アニメ「ちびまる子ちゃん」で、「まる子」を演じ続けて下さったTARAKOさまご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。さくらももこと声が似ていることがご縁でした。放送開始から34年間に渡りTARAKOさまは、ぐうたらでおっちょこちょい、粋を好み、家族やお友達が大好きな「動くまる子」を、その豊かな表現で作り上げて下さいました。TARAKOさん、長い間、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします」

作品の舞台では惜しむ声
作品の舞台となっている静岡市清水区では惜しむ声が聞かれました。

作品の舞台となっている静岡県の旧清水市、現在の静岡市清水区には「ちびまる子ちゃん」の展示施設があり、9日も県内外から大勢のファンが訪れていました。

施設内では主人公の「まる子」が自己紹介する音声などが流れ、TARAKOさんの声を聞くことができます。

東京・多摩市から家族で訪れた30代の男性は「私が小さいころからやっていたアニメで子どもも見ていますし、長い間愛されてきたアニメでした。まる子ちゃんがTARAKOさん以外の声になることが想像できないので、さみしい気持ちとまだピンときていない感じがあります」と話していました。

千葉県市川市から訪れた60代の男性は「きのうは漫画家の鳥山明さんが亡くなったことが明らかになり、不幸が続いて驚いています。まる子ちゃんはおっちょこちょいだけど、かわいらしいところがたくさんあって憎めないキャラクターで、声も非常に合っていたと思います」と話していました。

施設では10日、来場者にTARAKOさんへのメッセージを書いてもらうためのボードを設置する予定だということです。

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