是枝監督 新作「怪物」の手応え語る カンヌ映画祭にノミネート

東京, 5月27日, /AJMEDIA/

世界3大映画祭の1つ、フランスのカンヌ映画祭で、最優秀賞を競うコンペティション部門の各賞が日本時間の28日早朝に発表されます。この部門に新作の「怪物」がノミネートされている是枝裕和監督が、現地に向かう前に日本でNHKのインタビューに応じ、作品の手応えを語りました.
是枝裕和監督の映画「怪物」は、小学生どうしのけんかから見えてくるある事件についての物語で、親や教師などさまざまな視点から描くことで「怪物」が何を意味しているのか問いかける作品となっています。

今回の作品について、是枝監督は「本当にすばらしい脚本とキャストだったので、とてもおもしろい映画ができたなと思っています」と手応えを語りました。

タイトルにもなっている「怪物」については、「『怪物』を目にしてしまったときの表情をちゃんと撮ろうと思いました。そうすることで、いろんな場所や人と人の間に立ち現れる『怪物』らしきものの存在を感じてもらえればと考えました」と話しました。

そのうえで「映画をどう楽しむかは作った側が決めるものではなく、完成してから先は観客が作っていってくれるものだと考えています。今回の作品でもそこに期待しています」と話していました。
“映画監督として鍛えられる場所”
自身の作品がこれまで海外でも高く評価されてきたことについては「今そのとき、その場所で、そこに暮らす人たちがいちばん切実に感じている課題にしっかり向き合えば、世界に通じる。このことに気が付いてからは、ヨーロッパの人に伝わるかどうかなどを一切考えないようにして作っています」と明かしました。

そして、過去に最優秀賞も受賞したことがあるカンヌ映画祭について、是枝監督は「非常に厳しいことばにさらされる時間でもあるので、映画監督として鍛えられる場所です。今回も自分たちの作った映画がどんな風に輝けるのか、不安と期待が半分ずつですが楽しみにしています」と話していました。
発表は日本時間28日早朝 役所広司さん主演作にも注目
ことしで76回目となるカンヌ映画祭は、今月16日から開かれています。各国で新型コロナ対策の緩和が進んだこともあって会場には連日、新作映画や、レッドカーペットに登場する俳優や監督らを一目見ようと多くの人が訪れています。
ことしは最優秀賞のパルムドールを競うコンペティション部門に、是枝裕和監督の最新作「怪物」のほか、東京 渋谷の公共トイレを舞台にトイレの清掃員として働く主人公の男性を役所広司さんが演じた、ドイツのヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」(原題)など21の映画がノミネートされています。

是枝監督は2018年に「万引き家族」で、ヴェンダース監督は1984年に「パリ、テキサス」で、それぞれパルムドールを受賞していて、2つの作品は上映会でも大きな注目を集めていました。

審査の結果は、映画祭の最終日となる現地時間の27日夜、日本時間の28日早朝に発表されます。

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