映画「犬神家の一族」撮影の老舗旅館 5月営業終了へ 長野 佐久

東京, 2月25日, /AJMEDIA/

名探偵・金田一耕助が活躍する1976年公開の映画「犬神家の一族」で撮影に使われた長野県佐久市の老舗旅館が、ことし5月いっぱいで営業を終えることになり、多くの映画ファンから惜しむ声が寄せられています。

営業を終えるのは、佐久市の旧中山道望月宿にある「井出野屋旅館」です。

建築からおよそ100年になるという木造3階建ての建物で、昭和初期には料亭として使われていましたが、戦後は旅館として営業を続けてきました。

経営者の井出忠昭さん(81)と勝子さん(79)夫婦によりますと、映画を手がけた市川崑監督が玄関を開けてすぐに階段がある構造を気に入り、石坂浩二さんふんする金田一耕助が滞在するホテルとして登場することになりました。

撮影中は、物音ひとつ立てられないため、忠昭さんは電話が鳴らないように受話器を上げたままにしたり、せきをしないように気を付けたりしたということです。

旅館は今も撮影当時のままで、館内には石坂さんと女中役で登場した坂口良子さんのサインが大切に飾られています。

忠昭さんによりますと、夫婦がともに高齢で腰を悪くしたこともあり、ことし5月いっぱいで営業を終え、建物を売りに出すことを決めました。

売却が決まってからは、購入を考えている人が15人ほど見学に訪れたほか、宿泊客も増えているということです。

忠昭さんは「今予約が入っている人もほとんどが犬神家の一族のファンで、映画の力はすごいと思います。購入者は決まっていませんが、できればこの建物と屋号を残してほしいです」と話していました。

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