「幸福の国」文化や歴史紹介

東京, 1月30日, /AJMEDIA/

ブータンミュージアム(勝山市)
 「幸福の国」として知られる、ヒマラヤ山脈東端に位置する小国・ブータン。経済成長だけでなく、伝統や環境も考慮した幸せを求める「国民総幸福量」(GNH)を指標とする。同国の文化や歴史を紹介するミュージアムが、勝山市にある。

 福井県は「幸福度日本一」とされる。幸福度が高いという共通点が縁で、NPO法人「幸福の国」(勝山市)が2012年に福井市内に開設。20年秋、白山連峰を望む眺めがブータンの風景と似ているとして勝山に移転した。大きな蔵を改装した展示室には、民族衣装や祭りの仮面、仏画、楽器、生活用品などが並ぶ。

 ブータンとのつながりは、東日本大震災が発生した11年に国王夫妻が来日したのがきっかけだった。当時、東京電力福島第一原発事故の避難者を福井、石川両県で受け入れた同NPO前理事長の野坂弦司さん(84)は、被災地で慰霊の祈りをささげる国王夫妻の姿や演説に感激した。

 同じ時期に法政大の研究グループが発表した「47都道府県幸福度ランキング」で、総合1位は福井、2位富山、3位石川と、上位を北陸3県が独占。福井の幸福度が注目されるようになり、「ブータンと交流したい」と考え、ブータン政府の了承も得て、ミュージアムの開設にこぎつけた。

 今秋には開設から10周年を迎える。ブータンの大臣の来訪、若手公務員が地方行政を学ぶ研修の実施、子どもを招いた少年野球大会の開催など、ミュージアムが拠点となり、ブータンと福井の交流が広がった。

 野坂さんは「『あなたが幸せなら私も幸せ』と考える他利の心が、ブータン人の幸せにつながっている。幸福の追求を通して、世界平和を実現したい」と願う。

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