沖縄の親子の情愛描く「花売の縁」も 京都で特別公演「琉球舞踊と組踊」

東京, 6月5日, /AJMEDIA/

 沖縄の本土復帰50年周年を迎えた5月、京都市の「京都芸術劇場 春秋座」で特別公演「琉球舞踊と組踊」が行われた。
 京都芸術大舞台芸術センターと国立劇場おきなわ運営財団が主催。沖縄で継承されてきた琉球舞踊、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にもなった歌舞劇の組踊などが披露された。
 演目の中でも「花売の縁」は琉球王朝時代の沖縄を舞台に、困窮し、離ればなれになった下級士族の家族の再会を描く組踊の傑作だ。1945年12月、終戦後初めて上演された組踊で、戦禍で家族との別離を余儀なくされた沖縄の人々の涙を誘ったという。
 出稼ぎに行き、音信不通になった夫を探す旅に出た妻の乙樽(うとぅだる)と、子の鶴松。途中、猿引に出会い、ユーモラスな猿の芸に満足した鶴松が、褒美に小遣いを渡す。そんな演出にも、古い沖縄の風俗が表れており、ここだけが上演されることもあるという名場面だ。
 良家の乳母の職を得た美しい衣装の乙樽と鶴松はクライマックスで、落ちぶれて貧しい花売となった夫に再会する。恥じた夫は小屋に隠れてしまうが、3人は巡り会いを喜び、大団円に。琉球舞踊家で国立劇場おきなわ芸術監督・金城真次さんは「沖縄らしい親子の情愛が描かれた作品」と解説していた。

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