1年がわずか16時間、観測史上2番目に熱い太陽系外惑星が見つかる

東京, 11月29日, /AJMEDIA/

マサチューセッツ工科大学(※)のIan Wongさんを筆頭とする研究グループは、「ヘルクレス座」の方向およそ855光年先に太陽系外惑星「TOI-2109b」が見つかったとする研究成果を発表しました。

研究グループによると、この系外惑星は主星の「TOI-2109」をわずか16時間という短い周期で公転しており、(天文学的なスケールで)そう遠くない将来に主星へ落下するのではないかと予想されています。

今回発見されたTOI-2109bは、木星と比べて直径が約1.35倍、質量が約5.02倍と推定されています。研究グループによると、TOI-2109bから主星までの距離は太陽から水星までの平均距離のおよそ4.2パーセント(約240万km)と非常に近く、TOI-2109bの公転周期……言い換えれば「1年」は約16時間しかないといいます。

公転周期が10日を下回るような木星サイズの系外惑星は、主星の放射によって高温に熱せられているとみられることから「ホットジュピター」と呼ばれています。人類はすでに4500個以上の系外惑星を発見していますが、発表によるとそのうち約400個がホットジュピターに該当するといい、TOI-2109bの公転周期は既知の巨大ガス惑星としては最も短いとされています。

TOI-2109bの場合、主星に非常に近い小さな軌道を公転していることに加えて、主星のTOI-2109は太陽よりも一回り大きく表面温度の高いF型星であることから、TOI-2109bの表面温度はかなり高くなっているようです。地球から見てTOI-2109bが主星の裏側へ回り込む「二次食」の観測データを研究グループが分析した結果、TOI-2109bの昼側の表面温度は摂氏およそ3330度(約3600ケルビン)と推定されています。

発表によると、この温度はホットジュピター「KELT-9b」(推定される昼側の表面温度は摂氏約4300度)に次いで系外惑星の観測史上2番目に高いとされています。太陽よりも小さな恒星である赤色矮星(M型星)の表面温度は摂氏3000度を下回ることもありますから、TOI-2109bの昼間の表面温度は一部の恒星の表面温度よりも高いことになります。

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