福島第一原発 水の上で核燃料デブリ含む可能性の物体を初確認

東京, 03月19日 /AJMEDIA/

東京電力は、福島第一原子力発電所の1号機で原子炉の真下の状況をドローンで撮影した画像を公開しました。画像では、原子炉の底から脱落した機器に、溶け落ちた「核燃料デブリ」を含む可能性がある物体が、つららのような状態で付着しているのが初めて確認されました。

東京電力は福島第一原発1号機で、2月から原子炉を覆う格納容器の中にカメラ付きのドローンを入れて撮影する初めての調査を行い、18日、原子炉の真下にあたる部分で撮影した画像を公開しました。

このうちの1枚には原子炉の底から脱落した制御棒を出し入れする機器の上部に、溶け落ちた核燃料と周りの構造物が混ざり合った「核燃料デブリ」を含む可能性がある塊状の物体が付着し、一部がつららのような状態で垂れ下がっている様子が確認できます。

1号機では去年、格納容器の底にたまる水の中をロボットで調査した際、底の部分にデブリとみられる堆積物が確認されていますが、水の上で、デブリを含む可能性があるものが捉えられたのは初めてです。

これまでの調査やシミュレーションから、福島第一原発の「核燃料デブリ」の量は、1号機から3号機で合わせておよそ880トンにのぼると推計されていて、このうち1号機は、もっとも多くのデブリが格納容器の底まで溶け落ちているとみられています。

東京電力は、今回の画像をさらに詳しく分析し、デブリの取り出し方法などの検討に役立てたいとしています。

専門家「核燃料デブリが広がっていると考えるのが妥当」
日本原子力学会の廃炉検討委員会で委員長を務める宮野廣さんは、公開された画像について「だいたいの物体は一度溶けたあとに固まるとつららや塊状になる。そういった状態のものが複数の場所で見られていて、基本的には核燃料デブリが散逸している、広がっていると考えるのが妥当だ」と指摘しています。

ほかの画像からも原子炉の底の部分にあった構造物がかなりの部分で落下しているのが確認できるとして「核燃料の集合体が熱いまま底部にたまって容器を損傷させ、なおかつその下の構造物まで損傷させるほどの大きな熱が与えられたと考えられる」としています。

そのうえで、デブリの取り出しに向けては「1号機の損傷はかなり大きい印象だ。内部の状態がぐちゃぐちゃしているのは問題になってくる。今回の調査をもとに、現場にどうアクセスすればいいか、より原子炉に近い部分の情報を得ることも含めて、検討にいかしていくことが大事だ」と話していました。

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