藤井八冠が伊藤七段に勝利 「棋王戦」2連覇 勝率は歴代2位に

東京, 03月18日 /AJMEDIA/

将棋の八大タイトルの1つ、「棋王戦」の第4局が栃木県で行われ、藤井聡太八冠(21)が挑戦者の伊藤匠七段(21)に勝ち、「棋王戦」2連覇を果たしました。

藤井八冠は2023年度の対局をすべて終え、勝率は8割5分1厘と、歴代2位の記録となりました。

「棋王戦」五番勝負は、ここまで藤井八冠が2勝をあげ、タイトル防衛まであと1勝に迫っていました。

第4局は17日、栃木県日光市で始まり、先手の伊藤七段が「角換わり」の戦型を目指しますが、後手の藤井八冠はそれを避けて前例の少ない局面に持ち込みます。
その後、藤井八冠は「銀」や「飛車」を活用しての攻めで形勢を徐々に有利にし、午後7時7分、伊藤七段が114手までで投了しました。

この結果、藤井八冠が3勝目をあげて五番勝負を制し、タイトルを防衛して八冠を維持するとともに、「棋王戦」2連覇を果たしました。

藤井八冠は今年度の対局をすべて終え、対戦成績は46勝8敗、勝率は8割5分1厘で前の年度に続いてすべての棋士の中でトップとなりました。

これは藤井八冠がプロ棋士になってからの最高勝率で、1967年度の中原誠十六世名人の8割5分4厘に次ぐ歴代2位の記録です。

また、去年9月の「王座戦」第2局以降、「竜王戦」と「王将戦」、そして今回の「棋王戦」第4局まで、タイトル戦の対局で14連勝をあげ、大山康晴十五世名人が1961年から1962年にかけて達成した17連勝に次ぐ歴代2位の記録となりました。
一方、伊藤七段は初めてのタイトル獲得を目指しましたが、白星をあげることはできませんでした。

藤井八冠は来月10日に開幕する「名人戦」七番勝負で、豊島将之九段(33)の挑戦を受けます。

両棋士 終局後のコメント
対局のあと、勝利した藤井聡太八冠は「序盤の作戦は公式戦では指したことのない形でした。こちらが常に歩を損している状況だったので、どうすればうまくバランスを取れるか苦心するところが多かった気はします。今回のシリーズは中盤が非常に難しく、ミスが出てしまったところもあったので、そこは課題が残ったと思いますが、前回の『棋王戦』のような早い段階で時間がなくなってしまうことが比較的少なかったので、その点は改善できたところでした」と話していました。

そのうえで今年度最後の対局でタイトル防衛を果たし「終わったばかりなのであまり実感はないですが、大変なシリーズの中で防衛という結果を出すことができたのはうれしく思っています。今年度は将棋の内容としては逆転勝ちが多く、課題が残る部分もありましたが、成績としては自分が思っていたよりもよい結果を残せたと思っています」と語っていました。

一方、敗れた伊藤匠七段は「序盤の藤井八冠の工夫は予想はしていなくて、あまり考えたことのない展開になり、1手1手、手探りではありました。こちらが歩は得していましたが、かなり陣形に差のある将棋で、まとめるのに苦心し、中盤でバランスを崩してしまった印象です。去年の『竜王戦』の時からの課題でもありましたが、なかなか修正できませんでした」と話していました。

そして、タイトル戦への挑戦など今年度の対局について「かなり多くの経験をさせていただきましたが、やはり力不足を痛感する1年ではありました」と話していました。

藤井八冠「成長できたところもある1年」
伊藤匠七段との五番勝負で「棋王」のタイトルを防衛した藤井聡太八冠は、記者会見で「第1局の『持将棋』から始まってどの将棋も難しかったので、その中で結果を出すことができてうれしく思っています」と初めての「棋王」防衛を振り返りました。

藤井八冠は今年度の対局をすべて終え、対戦成績は46勝8敗、勝率は8割5分1厘で前の年度に続いてすべての棋士の中でトップとなり、さらに藤井八冠にとって自己最高、歴代でも2位の記録となりました。

このことについて藤井八冠は「逆転勝ちという将棋も少なからずあって幸運もあったと思いますが、今年度は長い持ち時間の対局で手応えのある内容のものもいくつか指すことができたので、これまでよりも成長できたところもある1年だったと思います」と話していました。

そして、来月10日に開幕する豊島将之九段との「名人戦」七番勝負に向けては「豊島九段とは5回目のタイトル戦になりますが、最近いろんな戦型を指されている印象があるので、これまでと違ったシリーズになるのかと思っています。しっかり準備をしていきたい」と意気込みを語っていました。

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