「H3」ロケット2号機 あす打ち上げへ【ライブ配信予定】

東京, 02月16 /AJMEDIA/

去年、初号機が打ち上げに失敗した日本の新たな主力ロケット「H3」の2号機の打ち上げを17日に控え、鹿児島県の種子島宇宙センターでは16日、機体が発射地点に移されました。

※「H3」ロケットの打ち上げの模様は、こちらの記事の中で「ライブ配信」でお伝えする予定です
「H3」の2号機は17日午前9時22分に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定で、これを前に16日午後3時ごろ、組み立て棟から姿を現し、30分かけて発射地点に移されました。

JAXAによりますと、17日の打ち上げ時間帯の天候はおおむね晴れで、気象条件に問題はないということです。

今回の打ち上げでは初号機ではできなかった、2段目のエンジンが計画通りに燃焼し、地球を周回する軌道にロケットを投入させることを大きな目標としています。

また、ロケットの性能を確認するため衛星を分離する動作を実証することにしています。

「H3」は現在運用されているH2Aに代わる日本の新たな主力ロケットで、JAXAと三菱重工業が10年前に開発に着手しました。

日本の大型ロケットとしては30年ぶりの新規開発で、開発費用は2000億円を超えています。民間企業の参入で宇宙ビジネスをめぐる国際競争が激しさを増す中、今後の日本の宇宙開発の行方を左右する「H3」の打ち上げが初めて成功するか注目されます。
「H3」は去年3月に初号機が打ち上げられましたが、2段目のエンジンが着火せず打ち上げに失敗しました。このためJAXA=宇宙航空研究開発機構はおよそ半年間にわたって原因の究明を進めてきました。

ロケットは1段目と2段目の分離まで計画どおり飛行し、その後に2段目のエンジンが着火しなかったことが分かっていて、飛行データを分析し、同じ現象を再現する試験などに取り組んできたということです。

そして、2段目のエンジンに搭載された機器の一部に損傷が発生したことが原因だと結論づけ、損傷の要因を大きく3つに絞り込みました。

このうち2つは運用中の「H2Aロケット」と共通する部品が関係しているケースで、
▽製造時の部品のずれや打ち上げ時の振動などによって着火直後に点火装置でショートが発生したというものと、
▽点火装置の内部にある電気の流れをコントロールするトランジスターが、地上の点検などで過度の電圧に耐えられなくなっていてショートしたというものです。
残る1つは「H3」だけに搭載された機器が関係するケースで、
▽2段エンジンを制御する部品の一部が故障してショートしたというものです。

JAXAはこの3つの要因についてそれぞれ対策を講じ、▽点火装置の部品を強化したり、製造検査を厳しくしたりしたほか、▽ショートの原因となりうる機器の設計を一部変更したとしています。

一部の対策については去年9月に打ち上げられた「H2Aロケット」47号機とことし1月に打ち上げられた48号機にも取り入れられていて、問題がないことを確認しているということです。

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