エムポックス(サル痘)ワクチン“接種の7割以上 十分な抗体

東京, 03月10日 /AJMEDIA/

「エムポックス」、これまでのサル痘に対するワクチンの効果について、国立国際医療研究センターは、接種を受けた7割以上の人が十分な抗体を得られたとする臨床研究の結果を発表しました。研究グループは効果と安全性が確認されたとして、今後、免疫の働きが低下している人などへの効果も調べることにしています。

国立国際医療研究センターの氏家無限医師らのグループは日本の製薬会社が天然痘のワクチンとして開発し、エムポックスに対しても承認されているワクチンを医療機関の職員50人に接種して効果と安全性を確かめる臨床研究を行いました。

それによりますと、接種後、抗体の量は時間とともに増え、4週間後には7割以上の人でウイルスの働きを抑えるのに十分な量の抗体が検出されたということです。

また、重い副反応は報告されなかったということで、研究グループは「効果や安全性が改めて確認された」と結論づけています。

一方、十分な抗体を持つ人の割合は接種から半年近くたつと3割程度まで減少したということで、研究を主導した氏家医師は「得られた抗体の量がどう推移するか分かったのは初めてで、効果にどう影響するのか検証する必要がある」と話しています。

国内のエムポックスの患者は今月8日の時点で、累計で242人に上っていて、グループは今後、研究の対象者を増やし、免疫の働きが低下しているHIV=ヒト免疫不全ウイルスの感染者など、リスクが高い人への効果も調べることにしています。

専門家「感染・発症防ぐ効果 十分にある」
この研究について、エムポックスに詳しい岡山理科大学の森川茂教授は「天然痘ウイルスでのデータと比較しても、このワクチンにはエムポックスの感染や発症を防ぐ効果が十分にあると考えられるデータだ。時間の経過とともに減る抗体を持続させるためには、追加接種も必要になるのではないか」と話しています。

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