「心筋細胞シート」の治験終了 2年以内の実用化目指す 大阪大

東京, 5月20日, /AJMEDIA/

iPS細胞から作った心臓の細胞の移植について、大阪大学の研究グループは新たな治療法を開発するための治験として計画していた手術をすべて終了したと発表しました。患者の経過はいずれも順調で、2年以内の実用化を目指したいとしています。
これは19日に、大阪大学の澤芳樹特任教授らのグループが東京都内で記者会見を開いて明らかにしました。

グループでは、iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作り、シート状に培養した「心筋細胞シート」を、重い心臓病の患者の心臓の表面に貼り付けて移植する手術を、3年前から治験として実施してきました。

移植は大阪大学や東京女子医科大学などであわせて8人の患者に行われ、計画していた手術はすべて終了したということです。

患者の経過はいずれも順調だということで、グループでは半年間の経過を確認し、安全性や有効性に関するデータをまとめたあと、国に申請を行い、保険が適用される一般の治療法としての承認を、2年以内に目指したいとしています。

ことし3月に東京女子医大で手術を受けた60代の女性は「よくなる可能性があるならと家族に背中を押されて決断しました。今は治験に参加してよかったと思っています」と話していました。
澤特任教授は、「共同研究者や患者の協力があり、無事にすべての手術を終えることができました。世界中の患者のために、大阪発の治療法として確立できるよう、引き続き、頑張りたいです」と話していました。

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