川端康成から横光利一へ 最後の手紙か 2人の温かな交流示す

東京, 6月8日, /AJMEDIA/

ノーベル文学賞作家の川端康成が体調を崩していた親友の横光利一に宛てた手紙が新たに確認されたと、日本近代文学館が発表しました。
川端が横光に出した現存では最後の手紙で、2人の温かな交流を示す資料とみられています。

手紙は川端の特徴的な文字で巻紙に記され、横光家や川端家と交流のあった男性からの依頼を受けて日本近代文学館が内容を確認しました。

封筒の消印や記された日付から、1947年8月13日に書かれたもので、川端から横光に宛てた現存で最後の手紙とみられています。
この中で川端は、自分の住む鎌倉での近況を伝えるとともに、肩凝りなどに効く療法が横光の背中の凝りを和らげてくれる可能性があるとして勧めるなど、体調を崩していた親友を気遣う様子を見せています。

また、代表作「雪国」の結末に当たるとみられる部分の執筆を続けている様子を記し、「徹夜三行乃至一枚くらゐづゝ執筆致居候」と報告しています。

横光はこの手紙の4か月余りあとに亡くなり、川端は弔辞の中で、「君は常に僕の心の無二の友人であった」などとその死を惜しみました。
日本近代文学館の中島国彦理事長は「丁寧に書かれ、川端の気持ちが伝わってくる。力を込めて横光を励ます手紙を書いたのだろう」と話しています。

手紙は今月11日まで文学館で展示されます。

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