中国 独自の宇宙ステーション“すでに完成” 本格的運用開始へ

東京, 1月6日, /AJMEDIA/

中国が建設を進めてきた独自の宇宙ステーションが去年中にすでに完成し、ことしから本格的な運用が始まる見通しであることが明らかになりました。

これは、中国の宇宙開発を担う国有企業のトップが、3日に開かれた会議で去年の実績を報告した際、「宇宙ステーションが全面的に完成した」と述べたものです。

さらにこの会議では「ことしは有人宇宙ステーションのプロジェクトが応用と発展の段階に入り、宇宙ステーションは通常の運用に移行する」との目標も示されたということで、ことしから本格的な運用が始まる見通しであることが明らかになりました。

中国の宇宙ステーションは全長30メートル余りで、「天和」という基幹施設と2つの実験施設からなるT字型の構造になっています。

今後、10年余りにわたって運用され、17か国の研究者らと共同でさまざまな実験が行われるとしています。

中国は、世界の宇宙開発をリードする「宇宙強国」を目指して、月や火星の無人探査に乗り出しています。

一方、アメリカも宇宙飛行士を再び月に送る「アルテミス計画」を進めていて、アメリカと中国の競争は宇宙開発の分野でも加速するものとみられます。
「宇宙強国」を目標に 軍事利用に懸念の声も
中国政府は、2030年までに世界の宇宙開発をリードする「宇宙強国」を目指すという目標を掲げています。

独自の宇宙ステーションのほかに月の探査計画にも力を入れていて、2019年に、地球との通信が難しいとされる月の裏側への探査機の着陸を世界で初めて成功させ、2020年には、月で岩石などのサンプルを採取して地球に持ち帰りました。

今後は、太陽の光が当たらず、水が氷の状態で存在する可能性があると指摘されている月の南極の表面のサンプルを持ち帰る計画や、月の有人探査、月面基地の建設にも意欲を示しています。

このほか、アメリカのGPSに対抗して独自に開発を進めてきた衛星を使った位置情報システム「北斗」の運用を始めています。

「北斗」は自動運転などに利用される一方、ミサイルの誘導など軍事面への応用と一体で開発が進められてきたと指摘されています。

中国政府は「宇宙空間の利用は平和目的だ」と強調していますが、計画には軍が深く関わっているとされ、国際社会からは宇宙空間の軍事利用に懸念の声も出ています。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts