デジタル教科書 再来年度から小中学校英語で先行導入を 中教審

東京, 8月26日, /AJMEDIA/

タブレット端末などで学ぶデジタル教科書について、中教審=中央教育審議会の作業部会は、再来年度から全国の小中学校の英語で、先行的に導入すべきだとする方向性を示しました。本格的な導入の方向性が示されたのは初めてで、国はこの意見を踏まえて準備を進めることになります。

デジタル教科書は教科書の内容をタブレット端末などで教えるもので、音声や動画を使うことで、英語のヒアリングなどで学習の幅が広がるほか、文字や図を大きく表示する機能があることなどから、障害のある子どもなどに細かい配慮ができるといったメリットがあります。

このデジタル教科書について中教審=中央教育審議会の作業部会は25日、会議を開き、再来年度からの導入に向けた方向性を示しました。

この中で作業部会は、まずは小学5年生から中学3年生の英語を対象に導入し、その後、次に現場のニーズが高い算数・数学に導入する方向だとしています。

また、当面は子どもの特性や学習内容などに応じて、従来の紙の教科書も併用すべきだとしています。

会議では委員から「近視やドライアイが進むおそれもあるので、使用にあたっては距離の確保や適度な休息が重要だ」という意見や「紙かデジタルか、子どもたち自身が選べる環境が必要だ」といった意見も出ていました。

デジタル教科書を巡っては、実証事業などとして3年前から段階的に取り入れられていますが、本格的な導入の方向性が示されたのは初めてです。

作業部会は方向性について中教審の特別部会に報告し、それらの議論を踏まえてその後、文部科学省が準備を進めることになります。
「デジタル教科書」活用方法に課題も
国は本格導入に向け「実証事業」として、すでに希望する小中学校にデジタル教科書を無償で配布していて、利用した児童や生徒からは「情報を集めやすい」という声が出ている一方、活用方法などで課題も出ています。

文部科学省の実証事業では、英語のデジタル教科書は今年度、すでに小中学校の9割程度で配布されています。

利用した児童や生徒を対象にしたアンケート調査では、紙の教科書に比べて「情報を集めやすい」とか「図や写真が見やすい」といった意見が50%以上を占めました。

一方、教員を対象に行われた調査ではデジタル教科書を「使わない週もある」という回答が49%に上り、使用しない理由として「効果的な使い方が分からない」とか「端末の起動やログインに時間がかかる」などの意見が出ていて、具体的な活用方法で課題も出ています。

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