日本生命V5へ痛恨の1敗、男子は木下と琉球が決勝へ〔Tリーグ〕

東京, 2月21日, /AJMEDIA/

 卓球のノジマTリーグは17~19日に男女計7試合が行われ、男子は木下東京と琉球のレギュラーシーズン1、2位以内が確定し、3月のプレーオフ決勝を戦うことになった。女子はプレーオフ準決勝へ進む2、3位をめぐって3チームが大激戦を展開しており、19日には5連覇を狙う日本生命が痛い敗戦を喫した。
 ◇篠塚の成長も促す林の加入
 男子は18日、Tリーグ初開催の鹿児島(あいハウジングアリーナ松元)に4チームが集結した。第1試合で岡山がT.T彩たまに勝ったが、3-2のため勝ち点4を取れず3止まり。第2試合もビクトリーマッチにもつれ込み、3-2で勝った木下東京が勝ち点3、負けた琉球も1を獲得し、岡山は2試合を残して2位以上がなくなった。
 木下東京は全日本選手権ベスト4の篠塚大登(愛知工大)が、大島祐哉(木下グループ)と組んだダブルスを落とした後、2番で有延大夢を3-0で下してタイに持ち込んだ。
 今季からダブルスに出た選手が続けて2番シングルスに出られるが、起用された選手は、ダブルスに負けると重圧を背負ってすぐ次の試合に臨む。篠塚は「続けて落とせないけど、思い切っていこうと切り替えた」という。
 3番は世界ランク8位の林◆(日ヘンに句の口が二)儒(台湾)が、木造勇人(個人)を3-1で下してリード。琉球も吉村和弘(個人)が相性のいい及川瑞基(木下グループ)を3-1で破ってビクトリーマッチに持ち込んだが、林◆(日ヘンに句の口が二)儒が吉村真晴(TEAM MAHARU)と1ゲーム勝負ではもったいない好勝負の末に11-9で振り切った。
 21歳の林◆(日ヘンに句の口が二)儒は18-19年、19-20年シーズンにも岡山でプレーしたが、その後の成長は世界ランクで明らか。同じ左ドライブ主戦型の篠塚は、練習で打ち合ってみると「威力というより回転量がむちゃくちゃ多い」という。ブロックのような速くて小さいバックハンドも回転がかかっている。「ミスがない上に1本ずつの質が高いため、返すのにもプレッシャーを感じる」と篠塚。
 女子は男子選手との練習で強い打球を受けられるが、男子は国内で世界トップ10クラスの打球を受ける機会はなかなかない。強豪外国選手のTリーグ参加は、日本の観客がプレーを目の前で見られるだけでなく、若手の成長にも影響をもたらす。
 このカードはこれがレギュラーシーズン最後。木下東京はウーゴ・カルデラノ(ブラジル)が3月の国際大会に備えて帰国中だが、プレーオフには出場できる。一方、2月に加入した林◆(日ヘンに句の口が二)儒は出場試合数が足りないためプレーオフに出られない。対する琉球も、この日は張本智和(IMG)がベンチに入っていなかった。
 このためオーダーも決勝の前哨戦とはならなかったが、その中で吉村和がこれで及川に今季4勝1敗とした。琉球の張一博監督は「及川も強い選手だが、やっている間にボールが合ってくる」という。決勝のオーダーを含め、一つのカギを握りそうだ。「林選手がいなくても優勝できるように」という篠塚のプレーも見どころになる。
 ◇激戦3チーム、計算できない勝ち点
 女子は前週を終えて木下神奈川の1位とプレーオフ決勝進出が確定し、焦点は準決勝へ進む2、3位争いに。日本ペイント、日本生命、名古屋が小差にひしめき、残り試合数がそれぞれ2、3、4と違うため複雑で激しい戦いになっていた。
 前週、日本生命の村上恭和総監督は「残り試合を全部4-0で勝つにはどうするか考える」と話した。3チームとも同じだろうが、プレーオフ圏外の京都と九州も、最終盤まで気迫で向かってくる。
 名古屋は17日に京都、18日に九州をともに3-2で辛くも下し、日本生命は18日に九州を3-1で破った。どれも勝ち点3。なかなか4点は取らせてもらえない。
 19日には日本生命が、京都に痛い星を落とした。ダブルスの笹尾明日香、麻生麗名組が魏聞声、馬◆(草カンムリに宛)含組(中国)に敗れた後、森さくらが9歳の松島美空を3-0で、伊藤美誠(スターツ)が成本綾海(中国電力)を3-1で下し、王手をかけて好調の早田ひなにつないだ。
 ◇最終局面で中国卓球の底力
 相手の袁雪嬌(中国)は中国超級リーグで活躍し、Tリーグ1季目に木下神奈川でも好成績を残している。激しい打ち合いとなり、第1、2ゲームを競り合って失った早田は、緩急などで追い付いたが、最終ゲームはわずかな差で9-11と逃げ切られた。
 ビクトリーマッチは伊藤と袁雪嬌が起用された。ドライブの応酬となった前の試合とは一転、立ち上がりから伊藤がスマッシュやミート打ちで早い勝負を仕掛け、7-1とリードを奪う。
 だが、ここから戦況が変わる。伊藤の強打がオーバーを続けて7連続失点。入っても袁雪嬌が巧みなコース取りと回転で返してくる。それを伊藤がミスをする。この日はフォアのミスが多かった。最後も9-10からフォアのスマッシュミスで試合終了。
 ビクトリーマッチは1ゲーム勝負で、相手も実力者とはいえ、ここへ来て日本の「2トップ」早田と伊藤で喫した黒星は、順位争いへの影響だけでなく、改めて「負けない」中国卓球の底力も思わせた。
 これで勝ち点は日本ペイント38、名古屋と日本生命が36で並んだが、日本ペイントと名古屋があと2試合あるのに対して日本生命は最終日の26日に日本ペイント戦を残すだけとなった。
 日本ペイントは2試合で1勝すれば準決勝進出が確定する。日本生命は最終戦に勝っても、2チームの結果次第では届かない状況に追い込まれ、森は「今まで4連覇して、今季はすごいプレッシャーがかかった。こんなに苦しい状態なので、最後の1試合はもう何も残っていないというくらい、みんなで楽しんでやりたい」と話した。
 プレーオフは3月22日が女子準決勝(2位-3位)、23日が男子決勝、26日が決勝(木下神奈川-準決勝の勝者)で、いずれも代々木第2体育館で行われる。

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