飯塚繁雄さん死去 家族会前代表、83歳―田口八重子さんの兄

東京, 12月18日, /AJMEDIA/

 北朝鮮による拉致被害者田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄で、家族会前代表の飯塚繁雄(いいづか・しげお)さんが18日午前2時ごろ、埼玉県上尾市の病院で死去した。83歳。家族会が明らかにした。家族葬を行い、後日、お別れの会を開く予定。
 飯塚さんは1978年に拉致された八重子さんの長男、耕一郎さん(44)を「自分の子」として育てた。耕一郎さんは18日、飯塚さんと田口さんとの再会がかなわなかったことについて「無念であり、非情な結果となってしまった」などとする談話を発表した。
 飯塚さんは2007年、家族会の初代代表で20年6月に87歳で死去した横田滋さんに代わり、2代目代表に就任。埼玉県内の工場で働きながら、被害者の帰国実現を目指し、日本政府などに対して要望を続けてきた。
 09年には大韓航空機爆破事件の実行犯で、田口さんから日本語を教わったとされる金賢姫元北朝鮮工作員と韓国の釜山市で、耕一郎さんとともに日本の拉致被害者家族として初めて面会。10年に金元工作員が来日した際にも長野県で面談した。
 13年に家族会などが目標としていた被害者の早期救出を求める1000万人分の署名を集め、19年5月に1300万人を超えた。14年には米国のオバマ元大統領と、17年と19年にはトランプ前大統領とそれぞれ面会し、拉致問題への関与や協力を求めた。
 先月13日、拉致被害者全員の即時帰国を求める「国民大集会」に出席し、家族会代表としてあいさつしたが、同月中旬に体調を崩し緊急入院した。耕一郎さんらに「新体制を考えてほしい」と退任の意向を伝え、今月11日に横田めぐみさん=同(13)=の弟で同会事務局長の拓也さん(53)が3代目代表に、耕一郎さんが後任の事務局長にそれぞれ就いた。

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