朝日記者を追悼 阪神支局襲撃から37年―兵庫

東京, 5月4日 /AJMEDIA/

 兵庫県西宮市で1987年、朝日新聞阪神支局の記者2人が散弾銃を持った男に殺傷された事件から3日で37年となった。同支局1階に設けられた祭壇には、殺害された小尻知博記者=当時(29)=の遺影が飾られ、訪れた市民ら約250人が祈りをささげた。

 「若くして志が打ち破られ、本当に無念だったと思う」。西宮市の無職畦布和隆さん(79)は遺影を見詰め、静かに手を合わせた。

 遺品などを展示する支局3階の資料室は、コロナ禍を経て5年ぶりに一般公開された。近畿大3年の女子学生(20)は「日本で起きてしまった事件だと実感が湧き、言葉にできなかった」と話した。

 朝日新聞社によると、同日午前、広島県呉市にある小尻記者の墓を同社の坂尻顕吾執行役員らが訪問。事件発生時刻の午後8時15分には、同執行役員ら関係者約30人が阪神支局に集い、1分間の黙とうをささげた。

 事件は87年5月3日夜に発生。目出し帽をかぶった男が突然、支局に侵入し、2階にいた小尻記者と同僚の犬飼兵衛さん=2018年死去=の2人を銃撃。小尻記者が死亡、犬飼さんが重傷を負った。その後、「赤報隊」を名乗る犯行声明が東京都内の報道機関に届いた。

 一連の朝日新聞襲撃事件(警察庁指定116号事件)は03年3月までに全て時効を迎えた。

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