温暖化の影響、注視必要 竜巻起こす巨大積乱雲―東大名誉教授

東京, 12月14日, /AJMEDIA/

日本で今後、大きな被害を伴う竜巻が発生する可能性について、東京大の新野宏名誉教授(気象学)は13日、「竜巻を起こすスーパーセル(回転する巨大積乱雲)は米国より発生しにくいが、温暖化の影響をよく見ていく必要がある」と話した。
 スーパーセルは日本でも2006年11月に北海道佐呂間町で発生した竜巻や、12年5月に茨城県常総市からつくば市で起きた竜巻の原因として知られる。佐呂間町の人的被害は死者9人、重軽傷31人、茨城県は死者1人、軽傷37人で、住宅などが多数損壊した。
 スーパーセルは地上から暖かく湿った空気が上昇する一方、上空では水平方向の強い風が吹く状況で、渦を巻くように発生する。日本は海に囲まれているが、米国は広い大陸のため、日射などで地上付近の気温が上がって強い上昇気流が生じやすく、スーパーセルによる竜巻が多くなると考えられる。
 新野名誉教授は「温暖化で気温が上がると水蒸気が増え、積乱雲ができやすくなる一方、上空の風はやや弱くなると予想されている」と説明。「スーパーセルが発生しやすくなるというシミュレーション研究もあるが、この二つの要因をよく見ていく必要がある」と語った。

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