平和の尊さ、殺処分に学ぶ 剥製展示、戦中動物園の悲劇―大阪

東京, 8月22日, /AJMEDIA/

 大阪市の天王寺動物園で、太平洋戦争中に殺処分された動物の剥製を展示する企画展が開催されている。戦争の悲惨さや平和の尊さを知ってもらうのが目的で、動物たちの最期を知った来場者は「戦争はしてほしくない」と命の重みを実感していた。期間は28日まで。
 天王寺動物園は1915年1月に開園した国内で3番目に古い動物園。戦時中の43年9月から44年3月、空襲でおりが壊れて逃げた猛獣が人に危害を加える恐れがあるとして、ヒグマやライオンなど26頭が殺処分された。動物たちは毒入りの餌を与えられ、食べなかったヒョウ1頭はロープで絞殺されたという。
 企画展では、こうした悲劇をパネルなどで紹介するとともに、ヒョウなど殺処分された5頭の剥製を展示。戦意高揚につなげるため、兵士に扮(ふん)して撮影されたチンパンジーの写真なども並べた。ロシアの侵攻に苦しむウクライナの動物園の現状を伝える映像も流している。
 堺市から祖母と一緒に来園した小学2年の男児(8)は「戦争を二度としてほしくない」と強調。3人の子供と訪れた大阪市の男性会社員(38)は「子供たちの頭の片隅に、このような悲惨な出来事があったことを覚えておいてほしい」と語った。
 同園運営課の久田治信係長は「戦争の影響を受けた動物がいることを多くの人に伝えていきたい。一人でも多くの人に何かを感じてもらえたら」と話した。

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