古代王のミイラを「透視」 年齢や死因など初解明―エジプト

東京, 12月30日, /AJMEDIA/

古代エジプト新王国第18王朝のファラオ(王)であるアメンホテプ1世のミイラが最新のコンピューター断層撮影装置(CT)で初めて画像解析され、王が推定35歳で自然死していたことなど、これまで未解明だった当時の詳細が明らかになった。エジプト観光・考古省が28日発表した。エジプト専門家チームによる研究結果は学術誌フロンティアズ・イン・メディシン電子版に掲載された。
 約3500年前に在位したアメンホテプ1世のミイラは1881年に南部ルクソールのナイル川西岸地域で見つかった。しかし、頭部を覆うマスクの状態が良好で、ミイラも精巧に包まれているため、ファラオのミイラの中で現在まで包帯が解かれずに保存されている希少な1体とされる。
 解析の結果、アメンホテプ1世には外傷や病気の痕跡がなく、通常は王のミイラ作りの過程で摘出される脳がそのまま体内に残っていた。観光・考古省は「布をはがしてミイラを傷つけかねない従来の手法と異なり、直接触れずに解析できる」と成果を強調した。
 アメンホテプ1世のひつぎは墓の盗掘に遭った際に一度開封されたとみられ、ミイラは第21王朝期に金の装身具などと共に改めて埋葬されたという。今回の分析で、古代エジプトの冥界の神オシリスにあやかり遺体の腕を交差させる姿勢はアメンホテプ1世のミイラから始まったことも判明した。

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