信者の息子、献金実態語る 旧統一教会主張に「納得できず」―大阪

東京, 8月22日, /AJMEDIA/

 安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の献金トラブルへの関心が高まる中、2020年に亡くなった母親=当時(81)=が信者だったという大阪府内の男性(55)が21日までに取材に応じ、献金の実態を語った。「霊感商法は行っていない」とする旧統一教会の説明に「納得できない」と反発している。
 男性によると、母親は自身の父親や夫を相次いで亡くし、独り暮らしになった直後の08年に入信した。男性の妹が09年に実家を訪れた際、旧統一教会から高額で買ったとみられるつぼを見つけた。銀行の通帳からは約1年間で1000万円以上が引き出されていた。
 母親は「家族の幸せのため、ご先祖さんを救わなあかん」と繰り返し、男性ら親族に金を無心するように。母親の投資信託は解約され、メモ帳には「500万円」「韓国ツアー参加」などの文字が並んだ。男性は約2年間で少なくとも3000万円以上が献金されたとみているが、領収書はほとんど残っていない。
 男性がお金の心配をすると、母親は「あんたは心に闇があるサタンや」と言い放った。貯金も取り崩していたとみられ、18年に母親が病気で倒れた際の通帳の残高はほぼゼロ。部屋には経典などが所狭しと並んでいたという。
 旧統一教会の田中富広会長は10日の記者会見で「霊感商法を過去も現在も行ったことはない。09年以降、コンプライアンス(法令順守)の徹底に努めている」と述べた。男性は「信者が勝手にやったと言うのか。正当化には腹が立ち、到底納得できない」と憤る。
 男性は母親が生前に多額の献金を強いられたとして、教会支部の幹部信者を相手取り、21年に大阪地裁に損害賠償請求訴訟を起こしている。

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