鳥インフル、見えぬ収束 続く野鳥の感染、警戒広がる

東京, 4月23日, /AJMEDIA

 高病原性鳥インフルエンザの感染収束が、今シーズンは遅れている。例年、養鶏場での発生は気温が上がる3月ごろに収まるが、今年は4月に入ってからも北海道など計5カ所で確認された。感染ルートとされる野鳥の感染判明がいまだに続く地域では、養鶏場に飛び火しないか警戒感が広がっている。
 今月16日、北海道白老町の養鶏場、大型鳥エミューを食用として飼育していた網走市の農場で立て続けに確認された。これまでシーズンで最も遅い国内感染例は2014年の4月13日。農林水産省の担当者は「この時期でも発生することに驚いた人は多いはずだ」と指摘する。
 北海道に続き、19日には秋田県大仙市の養鶏場で今季22例目が発生した。政府は翌20日、関係府省庁の担当者を集めて会議を開き、感染防止策の徹底を全国の養鶏場などに呼び掛けることを確認した。
 鳥インフルエンザは秋以降に大陸から飛来する渡り鳥から野鳥や野生動物などを経由し、養鶏場につながるルートが有力視されている。野鳥の感染が収まれば「出口」の兆しと言えるが、今季はまだその気配がない。ウイルスを保有する渡り鳥が今季は多い可能性があるとの見方もある。
 3月末には、札幌市内でカラスの死骸とともに見つかったキタキツネからウイルスが検出された。哺乳類の感染は国内初で、捕まえたカラスを食べて死んだとみられる。道内ではその後も野鳥の感染判明が相次ぎ、担当者は「まだまだリスクが高い」と危機感を募らせている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts