米スペースX、宇宙で先行 中ロ相手に存在感

東京, 9月20日, /AJMEDIA/

【シリコンバレー時事】米宇宙企業スペースXは東部時間18日、民間人4人だけを乗せた宇宙船「クルードラゴン」で地球周回旅行を初成功させた。飛行高度は585キロ、期間は3日に及び、米国内の競合他社に一気に差をつけた。ロシアや中国でも宇宙開発が盛んだが、スペースXはこのところ有人飛行を次々と成し遂げ、存在感を高めている。

 「とてつもない旅だった」。宇宙旅行をスペースXに手配し、船長も務めた実業家ジャレッド・アイザックマン氏(38)は無事帰還後、語った。

 米電気自動車(EV)大手テスラ創業者のイーロン・マスク氏が率いるスペースXは昨年5月を皮切りに、同年11月、今年4月と、立て続けに宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)へ送り届けた。

 これに対抗するように、7月には競合2社が高度約80~100キロで数分間の無重力を体験する旅行を実現。うち1社は、米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏が設立したブルーオリジンだ。しかし、マスク氏は今回の偉業により、再び宇宙事業でのリードを広げたと言える。

 米メディアによると、スペースXは来年以降、年6回のペースで地球周回軌道の宇宙旅行を計画。さらに、2023年には月を目指し、火星進出すら視野に入っているという。

 宇宙開発では、今年12月にロシアの宇宙船ソユーズで衣料通販サイト「ゾゾタウン」の運営会社を創業した前沢友作氏がISSを訪れる予定。中国も独自に宇宙ステーションを建設し、来年運用を始める。国の威信を懸けたロシアや中国を向こうに回し、技術革新の恩恵を民間人に届けようとするスペースXの挑戦は続く。

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