祖国に残した祖母案じ 日本の支援に感謝も―避難のウクライナ人母子・大阪

東京, 4月15日, /AJMEDIA

 ロシアの軍事侵攻が続くウクライナから、親族を頼って大阪府吹田市に避難したビクトリア・ロマショバさん(37)と息子のアンドレイさん(13)が14日、同市で記者会見した。日本での支援に感謝を述べつつ、「現地に残してきた祖母が心配」と涙ながらに語った。
 ビクトリアさんは、ウクライナの首都キーウ(キエフ)の企業で心理カウンセラーとして勤務。「戦争は1カ月で終わると思っていた」と話し、3月下旬まで祖母(85)やアンドレイさんとキーウの自宅にとどまった。
 祖国の現状について、「最初にトイレットペーパー、次に牛乳とパンがお店から消えた。避難サイレンが鳴る中で寝たが、いつ起こされるか分からない生活だった」と振り返った。
 母親の重山ネリさん(59)の住む日本への避難を決め、知り合いの車を乗り継いでポーランド国境へ。一緒に避難した祖母はストレスから体調を崩し、医師のアドバイスで現地に残ることになった。「将来のある2人は日本に行きなさい」と送り出された。
 ビクトリアさんは「日本に連れて来たかったが、どうしたらいいのか分からなかった。自分と子供を助けるか、危険な中で祖母と残るかの選択だった」と話し、涙を浮かべた。
 会見に同席したアンドレイさんは「新しいことがたくさんできて、日本が好き」とほっとした様子。2人は今月5日に政府専用機で来日し、吹田市の市営住宅に入居した。地元企業から食料や日用品なども寄せられているという。
 国内での支援に感謝の言葉を繰り返したビクトリアさん。日本語を学んで就労したいといい、「好きな人への思いを伝えたり、好きなところに行ったりと小さなことの価値を痛感する。皆さんも普段の生活を大事にしてほしい」と話した。

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