カブールで女性が権利主張集会 タリバンが解散させる

東京, 9月5日, /AJMEDIA/

武装勢力タリバンが掌握したアフガニスタンの首都カブールで4日、数十人の女性が権利尊重を求める集会を開いたものの、タリバンがこれを解散させた。

集会を開いたグループによると、市内の橋から大統領府まで行進しいようとしたところ、タリバンに催涙ガスなどをかけられたという。

一方タリバンは、抗議集会が混乱し制御できない状態になったためだと主張している。アフガニスタンのトロ・ニュースが伝えた。

抗議に参加したソラヤさんはロイター通信に、「(タリバンは)銃の弾倉で女性の頭を殴った。女性たちは血を流していた」と話した。

女性たちは、働く権利や、政府に参加する権利を求めていた。カブールや主要都市ヘラートでは、権利尊重を求める女性たちのこうした集会がいくつか続いている。

タリバンは、新政権の構成を近日中に発表するとしている。女性の政府参加は認めるものの、閣僚就任はないと話している。

タリバンの復権に伴い、かつて1996年から2001年にかけてアフガニスタンを支配していた当時のように、女性の権利が著しく制限されるのではないかと、内外で広く懸念されている。当時のタリバン政権下では、女性は屋外では顔全体を覆うよう求められ、男性家族の同伴がなければ外出できず、就労も教育も認められないなど、厳しい制約下に置かれた。軽微な違反にも厳罰が加えられた。

「25年前にタリバンが来た時、私は学校に行くのを禁止された」と、抗議に参加したジャーナリストのアジタ・ナジミさんはトロ・ニュースに話した。

「5年間の支配の後、私は25年間、一生懸命勉強して働いた。自分たちのより良い未来のためにも、(以前のような女性の権利制限は)許すわけにはいかない」

抵抗最後の拠点は

駐留米軍をはじめとする連合軍の大部分が7月はじめまでに撤退すると、タリバンは国内を次々と制圧し、8月15日に首都カブールを掌握した。

現在、アフガニスタン国内で唯一タリバンが制圧できていない北東部パンジシール州では、「アフガニスタンの反タリバン国家抵抗戦線」(NRF)との戦闘が続いている。

戦況については双方の言い分が食い違い、タリバンは州内で進攻を続け、州中心部へ向かっていると主張している。一方、NRFの報道担当は、激しい戦闘が続き、タリバン戦闘員数千人を包囲したと話している。

約15万~20万人が住むパンジシール渓谷は、1980年代のソ連侵攻時代や前回のタリバン政権下でも、抵抗運動の中心地だった。

NRFの指導者、アフマド・マスード氏は、ヘラートの女性たちによるタリバンへの抗議をたたえ、パンジシールは抵抗を続けていると述べた。

NRFの主張もタリバンの主張も、客観的な検証はできなかった。

空港再開

タリバンを逃れようとする人たちが集中し、大混乱と退避作戦の中心地となったカブールの国際空港は、駐留米軍の撤退後、タリバンの管理下に入った。国内のアリアナ航空は、ヘラート、マザーリシャリフ、カンダハールの3都市への国内便の再開を発表した。

カタールの放送局アルジャジーラは、カタール大使の話として、支援物資を運ぶ輸送機の着陸を可能にするため、カタールから派遣されたチームが協力し、空港再開にこぎつけたと伝えた。

カタールの首都ドーハにはこれまでも、タリバンの対外交渉拠点が置かれていたこともあり、カタールはタリバンと国際社会をつなぐ仲介役としての役割が重視されている。

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は5日、カタールを訪れる予定だが、タリバン関係者とは会談しないものとみられている。

タリバンに強い影響力を持つパキスタン軍情報機関、3軍統合情報局(ISI)のファイズ・ハミード長官はカブール入りしたが、記者団の質問には答えなかった。

ロイター通信によると、パキスタン当局者はアフガニスタン軍再編のためタリバンに協力する可能性に言及している。

欧米諸国はこれまで、ISIがタリバンを支援していると批判してきた。パキスタンは批判されるような事実はないと否定している。

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