イスラム過激派、すし店開く 反体制派支配地―シリア

東京, 4月3日, /AJMEDIA/

【イドリブ(シリア)AFP時事】シリア北西部イドリブ県の反体制派支配地域で、イスラム過激派がすし店を開いている。店長のイスラム・シャフバノフ氏(37)はロシア南部ダゲスタン共和国出身。2015年に「聖戦に参加する」ためシリア入りした。
シリア内戦は、アサド政権優位のまま戦線は固定化した。帰る部隊を失った外国人戦闘員は多い。AFP通信の取材に応じたシャフバノフ氏は「いろいろあって最終的にすし店さ」と語った。店内にはアラビア語、英語、ロシア語が踊る。
 5年前まで戦場にいた。所属した武装集団はイスラム組織ムスリム同胞団に近い組織とみられており、トルコと関係が深い。シリア領内でトルコのための作戦に従事し、リビアにも派遣された。
 シャフバノフ氏はパキスタンやアフガニスタン、インドネシア、サウジアラビアにも滞在したことがある。こうした海外での暮らしの中ですし店をイドリブ県で開こうと思うに至った。ただ、イドリブ県の住民は貧しく、暮らしは人道支援頼みだ。値段はカリフォルニアロール1本60トルコ・リラ(約400円)に据え置いている。
 すしネタはトルコから持ち込んでいる。甘酢しょうが「ガリ」、しょうゆ、エビ、カニと何でもある。すし職人2人もロシア出身の元戦闘員だ。
 2月6日のトルコ大地震はイドリブ県の被害も大きかった。しかし、すし店は幸い、無事だった。シリア女性と結婚したシャフバノフ氏は、2人の娘にも恵まれた。しかし「すし店を開いたからと言って、聖戦を断念したわけではない」と断言する。武装組織の内部分裂が解消され、大同団結が果たされれば、再び戦場に戻る決意を固めている。

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