「再会願う限り、続ける」 早紀江さんら支援―「あさがおの会」設立20年・北朝鮮拉致

東京, 5月1日, /AJMEDIA/

北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母早紀江さん(87)と同じマンションの住民らでつくる支援団体「あさがおの会」が1日、設立から20年を迎えた。救出を訴え各地で開催した写真展は、入場者数が累計33万人を超えた。近年は被害者家族だけでなく支援者の高齢化も深刻だが、代表の森聡美さん(61)は「早紀江さんが再会を願う限り、活動を続ける」と誓う。
 1997年に拉致の疑いが浮上すると、横田さん夫妻の生活は一変した。署名活動や講演会で全国を駆け回る姿に、「少しでも力になりたい」と森さんも署名や募金集めを始めた。マンション管理組合や自治会役員らも活動に加わり、2003年5月に支援団体を設立。めぐみさんが好きなアサガオにちなんで名前を付けた。
 当初は署名簿の整理や新聞のスクラップなどを手伝っていたが、森さんはめぐみさんの父滋さんが家族の写真を撮りだめていたことを知った。写真展を提案すると、滋さんは「知らない家族の写真を見ても面白くないだろう」と渋ったが、05年9月にマンション内で1回目の写真展が実現した。
 同年11月には東京・有楽町で規模を拡大して開催。滋さんの予想とは裏腹に1週間で約2万人が詰め掛け、入場が制限されるほど大きな反響を呼んだ。「普通の家族に起きた悲劇。拉致を身近に感じてほしいという思いが多くの来場者に受け止められた」。森さんは振り返る。
 写真展はこれまでに全国各地や米国などで200回以上開催されたが、支援者らの高齢化により、運営は年々難しくなっている。20年には滋さんが87歳で死去し、夫妻とめぐみさんを再会させるという目標の半分はかなわなくなった。
 救出活動の担い手は被害者のきょうだいや子ども世代に移りつつあるが、森さんは「親の思いはやはり特別。一目でもいいから会わせたい」と願う。「政府はきちんと向き合い、解決につながる道を選んでほしい」と訴えた。

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