文豪 森鴎外の直筆原稿の一部 新たに見つかる

東京, 7月15日, /AJMEDIA/

ことしで没後100年となる文豪 森鴎外が江戸時代の学者を描いた伝記小説「渋江抽斎」の直筆原稿の一部が新たに見つかりました。

調査にあたった専門家は「鴎外の苦労が分かる貴重な資料だ」としています。

見つかったのは、森鴎外が1916年から新聞で連載し、その後、書籍として出版された伝記小説「渋江抽斎」の直筆原稿24枚です。

この作品は鴎外が晩年に手がけた3作の伝記小説の1つで、江戸時代後期の弘前藩の考証学者で、医師でもあった渋江抽斎の生涯や功績が描かれ、鴎外の代表作の1つとして高く評価されています。

新聞に連載されたあと、当時の原稿の行方は分かっていませんでしたが、去年の秋、資料の所有者から文京区の森鴎外記念館に相談があり、筆跡などを調べた結果、鴎外の直筆原稿だと確認されたため、区が購入したということです。

原稿は、マス目の無い用紙に鉛筆で文章が書かれていて、ところどころに鴎外自身が墨で修正や補足を書き込むなど、創作の過程をかいま見ることができます。

専門家「鴎外の苦労が分かる貴重な資料だ」
鴎外の研究者で、調査を行った跡見学園女子大学の山崎一穎名誉教授は、「新聞連載のための原稿が、今まで残っていたのは偶然だとしか言いようがない。鴎外が作品を完成させていった経緯や苦労が分かる貴重な資料だ」と話しています。

原稿はことし10月から森鴎外記念館で開かれる展覧会で一般に公開される予定です。

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