防衛財源法案採決で与野党攻防 国会最終盤、内閣不信任が焦点

東京, 6月11日, /AJMEDIA/

通常国会会期末を21日に控え、週明けの国会は、防衛費増額の財源確保法案を巡る与野党の攻防がヤマ場を迎える。与党は13日にも参院財政金融委員会で採決したい考えだが、立憲民主党は内閣不信任決議案の提出も視野に徹底抗戦の構え。岸田文雄首相による衆院解散の観測も飛び交う中、緊迫した駆け引きが繰り広げられそうだ。
早期解散観測、与野党に緊張 自民候補調整に来週めど―立民は対決姿勢強める

 「内閣不信任案を契機に解散するのであれば、われわれは構わない」。立民の泉健太代表は9日の記者会見で、内閣不信任案提出も辞さない考えを示した。
 防衛財源確保法案は立民が今国会で「最大の焦点」(安住淳国対委員長)と位置づける。参院財金委で5月24日に審議入りし、与党は13日にも採決の目安となる審議時間に達すると見込む。
 与党が採決を強行しようとすれば、立民は酒井庸行委員長(自民)の解任決議案や鈴木俊一財務相の問責決議案を連発して抵抗するのは必至。泉氏は会見で「国会のルールに基づいてできることはやる」と語った。
 LGBTなど性的少数者への理解増進法案は9日の衆院内閣委で可決。与党は13日に衆院を通過させ、16日の参院本会議で成立させる日程を描く。ただ、参院財金委では財源確保法案の後に金融商品取引法改正案など2法案の審議が残っており、審議日程は窮屈だ。このため、政府・与党内には小幅の会期延長論も浮上している。
 内閣不信任案を巡り立民内には、財源確保法案に反対する立場を鮮明にするために必要との意見がある。ただ、選挙準備が十分ではない中、解散を誘発しかねないとの慎重論も出ている。
 立民が内閣不信任案提出に踏み切った場合、首相の対応が焦点となる。衆院議員の任期は2年以上あり、現時点の衆院解散は「大義」に欠けるとの指摘がある一方、自民内には「不信任案は内閣を認めないということで、大義になる」(森山裕選対委員長)との声も根強い。
 衆院解散は憲法が定める国事行為だが、天皇陛下は17~23日の日程でインドネシアを訪問される。松野博一官房長官は9日の会見で、この間も「解散は可能」との見解を示したが、天皇の外国訪問中に衆院を解散した例は過去にない。9日の自民党総務会では「拡大解釈ではないか」といぶかる声も出た。

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