野党共闘路線、道険し 進む組織弱体化―共産、15日結党100年

東京, 7月15日, /AJMEDIA/

 共産党が結党してから15日で100年を迎える。反戦平和を堅持しつつ、天皇制や自衛隊を容認するなど現実路線へかじを切ってきた。だが、党勢はふるわず、組織の弱体化は進む。活路を求めた野党共闘路線の手詰まり感も否めず、展望は開けていない。
 志位和夫委員長は14日、結党100年を前に記者会見し、「どんな困難も乗り越え、国民の共同の力で社会変革を進める」と強調。次期衆院選をにらみ、「日本の政治を変える道は共闘しかない」と語り、引き続き野党共闘路線を進める考えを示した。
 同党は、1922年7月15日に非合法政党として結党。思想弾圧を受けたが、戦後に党を主導した宮本顕治元議長は国会で過半数を得ることで変革を目指す「平和革命路線」を打ち立て、定着させてきた。後を継いだ「党の理論的支柱」の不破哲三前議長は志位氏とともに、党綱領の全面改定に取り組むなど「現実・柔軟路線」を推し進めた。
 2000年党大会の規約改正では「前衛政党」の表現を削除。04年の党大会では綱領を改定し、これまで否定してきた天皇制と自衛隊を当面容認する姿勢に転じた。
 路線修正は無党派層の支持拡大を図る狙いもあったが、党勢は低迷。党員数は90年の約50万人をピークに減少し、20年には約27万人まで落ち込んだ。政党交付金を受け取っていない同党の活動資金を支えるのは機関紙「しんぶん赤旗」。その購読者数は80年に355万人だったが、20年には約100万人に転落した。
 同党は大型国政選での野党共闘に活路を求めるが、昨年の衆院選では実を結ばなかった。敗北した立憲民主党は共産党との全面的な共闘をちゅうちょし、先の参院選では限定的な協力にとどまった。志位氏は会見で「課題を残した」と認めた。
 共産党は、昨年の衆院選に続いて議席を減らしており、今後は野党内での発言力が低下するのは避けられない。党勢回復へ正念場を迎えている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts