野党、処理水巡り政権攻撃 塩買い占めや魚離れも―韓国

東京, 6月24日, /AJMEDIA/

【ソウル時事】東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画を巡り、韓国野党が尹錫悦政権への攻撃を強めている。消費者の不安感の高まりから塩の買い占めや「魚離れ」も起き、尹政権は科学的な説明の強化で沈静化を図っている。
福島視察団長が国会説明 処理水巡り、与野党攻防―韓国

 最大野党「共に民主党」の李在明代表は22日、北東部の江陵で水産業者と面会し「日本の汚染水(処理水)放出はあってはならない無責任な行為だ」と主張。尹政権は処理水放出に反対を表明すべきだと非難した。同党は「放射能テロだ」「漁民が皆死ぬ」といった根拠のない過激な宣伝や、放出に反対する署名活動を展開している。
 韓国メディアは連日、処理水関連ニュースを伝え、消費者が放出前に天日塩を買い占めようとする騒ぎも起きた。産地の南西部・全羅南道では、6月第3週に価格が前年比4割近く上昇した。
 聯合ニュースによると、ソウルの海鮮料理店やすし店では客が急減している。ある店主は「テレビで汚染水の話が流れるようになってから客が来ない。売り上げが前月から15%減った」と悲鳴を上げた。
 韓国政府は5月に福島原発へ専門家視察団を派遣。今月15日からは平日の毎日、処理水に関する記者会見を開いている。日本政府との連携で科学的説明を強化し国民の不安を払拭する考えだ。
 与野党の視野には来年4月に控える総選挙がある。与党「国民の力」は、相次ぐ不正事件で窮地に陥った野党が反日感情を刺激し、日韓関係改善を進める尹政権への批判につなげようとしていると指摘。金起※(※火ヘンに玄)代表は「科学的根拠のない偽情報で国民の不安をあおり、水産業者や観光業者の生計を脅かしている」と訴える。
 ただ、野党の支持は広がっていない。世論調査機関「韓国ギャラップ」は23日、国民の力の支持率が前週比1ポイント上昇の35%だったのに対し、共に民主党は3ポイント低下の31%だったと発表。尹大統領の支持率は1ポイント上昇の36%、不支持率は57%だった。不支持理由では、外交(22%)がトップで、処理水対応(9%)が続いた。

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