資料館訪問「一定の成果」 滞在短時間に疑問も―広島被爆者ら・G7サミット

東京, 5月20日, /AJMEDIA/

首脳らの原爆資料館視察後、広島県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長(81)は「(資料館に)入ってから出るまで40分。焼けただれた三輪車や弁当箱の展示を見てもらえたのか」と滞在時間の短さを指摘した。ただ、核保有国を含む首脳がそろって訪問したことは「百聞は一見にしかず。一定の成果はあった」と評価した。
G7首脳、原爆資料館訪問 岸田首相「核なき世界」アピール―そろって訪問は初、被爆者と面会

 別の県被団協の佐久間邦彦理事長(78)は「被爆者が言っていた体験、悲惨さがどういうものか、(首脳らは)核兵器の非人道性を自国民に率直に話すべきだ」と訴えた。視察の様子が非公開とされたことには、「被爆者として納得できない。(公開には)非常に重要な意味がある」と述べ、日本政府の判断を批判した。
 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のダニエル・ホグスタ暫定事務局長(35)は「現在の情勢下で、首脳らの訪問は象徴的かつ重要だ」と強調。その上で、「訪問だけで終わってはいけない。核軍縮に向けた具体的な行動を」と訴えた。ICAN国際運営委員の川崎哲さん(54)は「決して長くはない滞在時間。一人ひとりがどれだけ核の非人道性に向き合ってくれたか、この後の文書や会見での発言で測りたい」と話した。
 館内では岸田文雄首相らが展示品を説明した。2016年のオバマ元米大統領の訪問に立ち会った前館長の志賀賢治さん(70)は、「人によって共感する展示物が違う。ツアー見学ではなく、一人ひとりが自分の関心に従って展示と向き合ってもらいたかった」と語った。

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