自民、旧統一教会との関係発覚相次ぐ 世論の批判警戒、野党は追及

東京, 8月1日, /AJMEDIA/

 安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件をきっかけに、自民党の現職閣僚や国会議員と「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)との浅からぬ関係が次々と明るみに出てきた。自民党は「党として組織的な関係がないことは確認している」(茂木敏充幹事長)と、世論の批判が同党に向かうことを警戒。立憲民主党など野党は「実態解明が必要だ」として追及する方針だ。
 旧統一教会は1968年、反共産主義を掲げる政治団体「国際勝共連合」を創設。当時から安倍氏の祖父、岸信介元首相ら自民党右派との結び付きが強かったとされる。憲法改正や同性婚反対など保守色の強い主張を掲げており、党幹部は「今もつながりのある人は安倍派に多い」と指摘する。
 岸田内閣の閣僚では、安倍氏の実弟の岸信夫防衛相(安倍派)が過去の自身の選挙で旧統一教会のメンバーに手伝ってもらったことがあると公表。同じく安倍派の末松信介文部科学相は、教会の関連団体にパーティー券を購入してもらったと明らかにした。
 自民党とのつながりは安倍派に限らない。二之湯智国家公安委員長(茂木派)は2018年に関連団体のイベントで「実行委員長」を務めたと明かし、磯崎仁彦官房副長官(岸田派)も21年に関連団体のイベントに参加していた。
 関連団体から選挙で支援を受けた自民党中堅(麻生派)は「真面目に電話かけをやってくれた。選挙の勝利に教会の力は少なからずあった」と振り返る。
 野党も全く関係ないとは言えない。立民では中川正春元文科相や篠原孝幹事長代行らが過去に関連団体の会合に祝電を送っていた。日本維新の会は、藤田文武幹事長ら国会議員13人が教会側と接点があったと公表。国民民主党の玉木雄一郎代表も、教会と関係が深いとされる「世界日報」の元社長から16年に計3万円の寄付を受けたことを明かしている。
 その一方で、80年代以降、旧統一教会による「霊感商法」や、信者からの多額の献金集めが社会問題化していった。
 立民の泉健太代表は7月29日の記者会見で「宗教というよりも霊感商法で数多く問題を起こしている団体で、多くの国民が『おかしいのでは』との声を上げている」と指摘。共産党も「宗教活動の自由という問題ではない」(田村智子政策委員長)との立場だ。
 両党は、文化庁が15年に旧統一教会からの名称変更を認めた際、当時の下村博文文科相(安倍派)らの関与がなかったか、臨時国会で追及する構えだ。立民関係者は「今後、統一教会と政治の関係は大きな問題になる」と語った。

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