石川知事選、自民対応苦慮 保守分裂、参院選へしこり懸念

東京, 12月26日, /AJMEDIA/

 来年3月13日投開票の石川県知事選への対応に自民党が苦慮している。同党前衆院議員の馳浩元文部科学相が立候補の準備をしていたところに、同党の山田修路氏が参院議員(石川選挙区)を辞職し、参戦してきたからだ。保守分裂選挙となるのは必至で、しこりが残れば山田氏の欠員を補充する4月の参院補欠選挙だけでなく、夏の参院選への影響も予想され、党本部は懸念している。
 「東京から圧力を受けてきたが、知事は県民が選ぶのが地方自治の基本だ」。山田氏は24日、石川県内で記者団に対し、知事選への決意を重ねて表明、翻意を促してきた党本部をけん制した。
 山田氏が出馬表明したのは今月3日。馳氏も山田氏も安倍派メンバーだ。同派に影響力を保つ石川出身の森喜朗元首相や県選出国会議員に加え、安倍晋三元首相まで乗り出して説得を試みたが、山田氏は最後まで応じなかった。
 こうした事態を予想していなかった県連関係者らは困惑を隠さない。森元首相と不出馬を表明した谷本正憲知事の確執を関係者で知らない者はおらず、森元首相に反発する県議らも少なくない。谷本氏が山田氏支援に回れば、馳氏を推す森元首相との代理戦争に発展する可能性もある。
 参院自民党関係者は「同士打ち」のリスクについて、2016年参院選の石川選挙区の結果を例に挙げて説明する。「当選した自民党の岡田直樹氏は約32万票、次点の野党候補は19万票だった。知事選に当てはめると、自民が真っ二つに割れれば計算上は野党が漁夫の利を得ることになる」
 さらに厄介なのは、3月の知事選から間もない4月に参院補選があることだ。知事選でしこりを残せば、結束して臨める保証はない。補選は夏の参院選の前哨戦との位置付けになる見通しで、結果によっては全体の情勢に影響しかねない。
 知事選、補選、参院選と重要選挙が続く石川。立憲民主党など野党側は保守分裂の間隙(かんげき)を突く構えだが、自民党内で今のところ、知事選をめぐる対立は収まりそうにない。党幹部は今後の展開について「考えたくもない」と声を落とした。

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