県人会長「ルーツ大切に」 最大規模大阪、会員減も―沖縄復帰50年

東京, 5月02日, /AJMEDIA/

 多くの沖縄出身者が暮らす大阪では、国内最大規模の県人会組織「大阪沖縄県人会連合会」(大阪市大正区)が活動しており、5月15日に復帰50年を祝う催しを開く予定だ。近年は会員数の減少が課題となっているが、会長の山端立昇さん(82)=同市西淀川区=は「自分のルーツを大切にしてほしい」と呼び掛ける。
 山端さんは1940年に沖縄県・南大東島で生まれ、両親と共に41年に大阪に渡った。戦時中は空襲を避けるため沖縄本島へ疎開。収容所などを経て、戦後再び大阪に戻った。その後も「沖縄に対する意識は持ち続けていた」と振り返る。
 父の立昌さん(故人)は復帰運動に熱心に取り組み、山端さんはその背中を見て育った。新婚旅行先には米統治下の沖縄を選び、本籍地も沖縄のままにしてある。
 大阪府下の県人会では、三線や民謡など沖縄文化に親しむイベントを通じて親睦を深めているが、会員数は徐々に減っているという。「2世、3世になるとなかなか入ってくれない。(会の活動に)意味ないやんかという人もいる」
 それでも山端さんが県人会の活動に力を入れるのは「若い人たちにも自分のルーツを大事にしてもらいたい」という思いからだ。西淀川区にある県人会も一度解散したが、山端さんが音頭を取って約10年前に復活させた。「つながりが薄くなっていくのはやむを得ないが、県人会の存在が沖縄を思い出すきっかけになってくれれば」と力を込める。
 「復帰への捉え方は、それぞれの県人会組織によって異なる」と山端さんは話すが、「(復帰は)沖縄県人にとって一つの悲願だった。とりあえず喜ばないかんのかな」と受け止めている。一方、過重な基地負担が続いていることについては、「復帰の時の約束と違う」と怒りをにじませた。

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