温室ガス削減強化、厳しい交渉に ウクライナ危機も影響―COP27、6日開幕

東京, 11月6日, /AJMEDIA/

 地球温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が6日からエジプト・シャルムエルシェイクで始まる。2030年までの温室効果ガスの排出削減を強化するための「作業計画」の採択を目指すが、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機の影響などで、厳しい交渉が予想される。支援強化を求める途上国と先進国が歩み寄れるかも注目される。
 温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」では、産業革命前からの世界の気温上昇を「1.5度」に抑えることを努力目標に掲げた。昨年のCOP26では1.5度を目指す姿勢をさらに明確化した。干ばつや海面上昇など気候変動に伴うリスクをより低減できるためだ。
 気温上昇を1.5度に抑えるには、30年までに温室効果ガスの排出量を10年比で45%減らす必要がある。しかし、今年10月に条約事務局が公表した報告書では、各国が現行目標通りに削減を進めても10年比で10.6%増加すると予測しており、今世紀末には気温が約2.5度上昇する恐れがある。
 このため、二酸化炭素(CO2)排出量で世界1位の中国や3位のインドを含め、削減の動きを加速する必要がある。ただ、これらの国は厳しい目標が経済発展に悪影響を及ぼすことを懸念しており、どこまで協力姿勢を示すかは不透明だ。
 これに加えて、ウクライナ危機に伴うエネルギー価格の高騰で、各国では温室効果ガスを多く排出する石炭など化石燃料への回帰が広がっている。こうした状況下で、排出削減強化の機運を高めるのは容易ではない。
 資金支援をめぐる途上国と先進国の溝が埋まるかも焦点だ。気候変動による豪雨や海面上昇などの影響を受けやすい途上国は、先進国に対して資金支援の強化を求めている。ただ、先進国側は金額が膨大となることを警戒して慎重姿勢を崩しておらず、交渉は難航必至だ。

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