東電旧経営陣、判決12月以降か 一審無罪、控訴審が結審―原発事故で強制起訴・東京高裁

東京, 6月7日, /AJMEDIA/

 東京電力福島第1原発事故をめぐり業務上過失致死傷罪で強制起訴され、一審無罪となった東電の元会長勝俣恒久被告(82)ら旧経営陣3人の控訴審第3回公判が6日、東京高裁(細田啓介裁判長)であり、結審した。判決期日は後日指定されるが、被害者参加代理人によると、12月か来年1月の可能性があるという。
 一審の審理は37回に及んだのに対し、控訴審は昨年11月の第1回から約7カ月で終結。検察官役の指定弁護士が求めた裁判官の現場検証、津波地震の発生を予測した政府の「長期評価」に関する元気象庁幹部らの証人尋問は採用されなかった。被害者参加代理人らは、「国の責任」をめぐる今月17日の原発避難訴訟の最高裁判決などを見据えて審理の継続を要請しており、判決次第で弁論再開を求める方針。
 この日の公判には、勝俣被告と元副社長の武藤栄被告(71)は体調不良などを理由に出廷せず、元副社長の武黒一郎被告(76)が出廷した。
 被害者遺族の陳述書が提出され、指定弁護士が「今も事故は終わっていない。現場を見ずに結審するのは悔しい」などと読み上げた。別の遺族についても代理人弁護士が「最高裁で国の責任が認められるのなら、その判断に沿って判決を出してほしい」と代読した。
 最終弁論で指定弁護士は、「長期評価」の信頼性を認めず、「原発の運転停止義務を課すべき予見可能性はなかった」とした一審東京地裁判決について「重大な誤りがある」と改めて主張。弁護側は「一審判決に誤りはなく、控訴は棄却されるべきだ」と述べた。

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