日米に直接脅威 発射角度変えれば―北朝鮮ミサイル

東京, 1月31日, /AJMEDIA/

 北朝鮮が30日に発射した弾道ミサイルは、高度2000キロにも達し、防衛省は通常より高角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」と推定した。通常の軌道で発射されれば射程は日米に直接脅威を与えた可能性もある。1月に入り変則軌道のミサイルも発射しており、多種多様なミサイル能力を誇示した形だ。
 防衛省によると、今回の発射は中距離以上のミサイルで、飛距離は800キロ(推定)。政府筋は「打ち上げ角度を水平方向に調整すれば日本や(米領)グアムを射程に収める可能性がある」と指摘する。
 同省によると、北朝鮮のミサイルは過去6回、ロフテッド軌道での発射が確認されており、2017年5月の中距離弾道ミサイル(火星12)は高度2000キロ超を約30分間飛行し、飛距離は800キロ。今回の発射と同程度レベルの飛行とみられ、当時同省は、通常軌道で発射されたとすれば射程は最大約5000キロに達すると推定していた。
 火星12は17年9月には北海道上空を通過し、太平洋に落下。この時は通常軌道で飛距離は3700キロに及び、グアムを射程に入れた。
 自衛隊のミサイル防衛は洋上で迎撃ミサイル「SM3」を発射するイージス艦と、落下の最終段階で迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の二段構えだ。政府関係者によると、日米共同開発の新型SM3の高度は1000キロ程度とされる。放物線を描く通常の弾道ミサイルを想定した体制で、ロフテッド軌道や変則軌道のミサイルを迎撃するのは難しい。
 岸信夫防衛相は30日の臨時記者会見で、「北朝鮮はさまざまな態様での発射を繰り返している。技術の確立を目指したものだ」と懸念した。防衛省幹部は「ミサイル防衛網を突破するために、変則軌道など高度化された技術がより射程の長いミサイルに利用される恐れもある」と指摘した。

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