日本、月面探査機ラッシュ 初の着陸機、29日打ち上げ―JAXAのほか、民間企業も

東京, 8月28日, /AJMEDIA/

 日本の月面探査機が打ち上げラッシュを迎える。先陣を切るのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型機「OMOTENASHI(オモテナシ)」。29日、人類の月面再訪を目指す「アルテミス計画」の第1弾として米国が打ち上げる新型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」に相乗りし、日本初の月面着陸・探査を行う。
 日本は1990年に「ひてん」、2007年に「かぐや」をそれぞれ打ち上げたが、いずれも月周回探査機で、運用終了後に月面に落下。速度や場所を制御して着陸させたり、月面で観測や探査をしたりした例はまだない。
 オモテナシは縦37センチ、横24センチ、高さ11センチ、重さ約13キロと世界最小の月面着陸機。SLSから分離後、放射線を測定しながら数日かけて月へと向かう。
 最大の難関は着陸。超高速で飛行しているため、減速しなければ月面に激突して壊れてしまう。通常は強力なロケットエンジンを逆噴射させ、減速して軟着陸するが、超小型のオモテナシに強力なエンジンの搭載は不可能だ。
 そこで、小型の固体ロケットで時速180キロまで減速させた上で月面に衝突。壊れることで衝撃を吸収する部材で内部の観測機器を守る作戦を取った。
 宇宙ベンチャー企業も月面探査に名乗りを上げる。アイスペース(東京)は11月にも、米スペースX社のロケットで、着陸機を打ち上げる。また、ダイモン(東京)も、年度内に打ち上げられる米国の着陸機に載せる小型探査車「YAOKI」を計画している。
 このほか、JAXAは今年度中に、月の「神酒(みき)の海」への着陸を目指す探査機「SLIM」の打ち上げを予定。こちらは重さ約200キロ(着陸時)で、小惑星探査機「はやぶさ2」などで培った精密誘導技術を用い、誤差100メートル程度とピンポイントでの着陸を目指す。

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