琉球泡盛、若者・海外に活路 出荷減で危機感―沖縄

東京, 5月4日 /AJMEDIA/

 沖縄県の特産品「琉球泡盛」の出荷量がここ20年で半分以下に落ち込み、関係者が危機感を募らせている。背景の一つとして指摘されるのが、若者のアルコール離れ。関係者は「泡盛は年配の人が飲むものという概念を変えたい」と、若者や海外をターゲットに新たな販売戦略を模索している。

 「(カクテルに使われる)リキュールが人気で、県内の酒造メーカーは泡盛を造らなくなっている」。沖縄県酒造組合の佐久本学会長は4月、那覇市での記者会見で強い懸念を示した。

 沖縄県産の泡盛である琉球泡盛の出荷量は減少が続いている。出荷量を示す移出量は、2023年が1万2865キロリットル。ピークの04年から53%も減少した。

 カギを握るのが、ファン層の拡大だ。泡盛を幅広い世代に知ってもらおうと4月下旬に那覇市で開かれたイベントには、約1000人が来場。イベントの運営統括役の古謝雄基さんは、「まずは焼酎などになじみのある30代を狙っていく」と力を込めた。

 このイベントで販売された「shimmer」というブランドの泡盛は、より味わいが深く、洗練された包装が特徴。実際に味わった30代の女性は「普通の泡盛よりも飲みやすく、ケースもおしゃれで購入してみたい」とうれしそうに話した。

 また、泡盛はアルコール度数が高く、古謝さんは「海外向けに(リキュールのように)カクテルへの使用を提案できれば」と語る。

 実際に酒造組合や酒造メーカーは海外市場を開拓するため、バーテンダーやソムリエを招待した展示会を07年から欧米やアジアなどで開催。カクテルへの使いやすさなどを紹介し、実際に味わった人たちから高い評価を得たという。こうした取り組みもあり、23年の韓国への輸出量は前年比で4割増加した。

 もっとも、出荷量の減少は今も進んでいる。県の担当者は「さらなる泡盛の消費者確保が課題で、イベントなどで新たな顧客を取り込みたい」と強調した。

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