政府干渉に警戒感強く 「対話」強く要求―学術会議

東京, 4月21日, /AJMEDIA/

政府が検討していた日本学術会議法改正案は、第三者による「選考諮問委員会」が会員選考に関与できることになっていた。学術会議側は政府による干渉と受け止め、強く反発。法改正を強行しようとする政府に対し、最も強い意思表示である「勧告」を出し、協議の場をつくって対話するよう求めた。
 梶田隆章会長は20日夜、法案提出見送りについて「歓迎したい」とするコメントを発表。「学術界と政府の信頼関係を回復し、開かれた協議の場が設けられることを期待する」とした。
 政府が学術会議に示した法改正案は、選考諮問委の委員は首相が議長を務める総合科学技術・イノベーション会議の議員などと協議して選出するとし、会員選考に際し、学術会議会長は諮問委の意見を尊重しなければならないと規定していた。
 学術会議側は、改正案が学術の独立性を侵す恐れがあると反発。総会を経て18日にまとめられた声明では、権力から独立して発展する学術が多様な見解をもたらすことが社会を豊かにすると主張。法改正を「日本の学術の終わりの始まりにしてはならない」と訴えていた。
 法改正への反発は、著名な研究者からも寄せられた。2月にはノーベル賞や数学のノーベル賞と呼ばれるフィールズ賞の日本人受賞者8人が、性急な法改正を考え直し、学術会議と議論を重ねるよう求める声明を発表。今月13日には、各国のノーベル賞受賞者61人もこれに賛意を示した。
 学術会議から書簡を受け取った米、独、仏、伊のアカデミーも「政治的干渉から科学的助言を独立させるのは、政策に科学を適切に取り入れるためには必須だ」(米アカデミー)と反応していた。

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