宗教2世虐待で指針通知 「地獄へ落ちる」など例示―厚労省

東京, 12月28日, /AJMEDIA/

 厚生労働省は27日、信者の子として生まれた「宗教2世」への虐待に対応する場合の指針を作成し、自治体に通知した。「地獄に落ちる」と脅して宗教活動を強制したり、進学や就職を妨げたりすることを例に挙げ、これらの行為は児童虐待に当たると明示した。
 指針は宗教2世に聞き取り調査をした上で作成。児童相談所などに対し、背景に宗教の信仰があったとしても、児童虐待と認められる行為があった場合は一時保護などの対応を取るよう求めた。
 具体的には、体罰で礼拝などの宗教活動を強制することを「身体的虐待」とし、「地獄に落ちる」と脅迫したり友人らを「サタン」呼ばわりしたりして布教活動に無理に参加させる行為や、子供のアルバイト代や奨学金を取り上げて宗教団体に寄付する行為などを「心理的虐待」とした。
 高額献金による生活費不足で子供に適切な食事を提供しなかったり、学校への登校や進学をできなくしたりすることは「ネグレクト(育児放棄)」と規定。教義に基づいていたとしても、年齢に見合わない性的なイラストや映像を見せる行為は「性的虐待」に当たるとした。
 児相や自治体に対しては、介入をきっかけに親からの虐待がエスカレートしたり、宗教団体からの働き掛けが強まったりする懸念があると指摘。必要な場合にはためらうことなく一時保護などの対応を取るよう求めた。保護の対象外となる18歳以上から相談があった場合にも、適切な支援をするよう促した。

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