宇宙、偽情報で協力強化 日NATOが新文書

東京, 6月26日, /AJMEDIA/

政府が北大西洋条約機構(NATO)との間で、協力強化に向けた新たな文書の策定作業を進めている。岸田文雄首相は7月にリトアニアで開かれるNATO首脳会議に出席。早ければこの際に発表し、中国やロシアをにらみ、宇宙分野や偽情報対策での連携を打ち出す方針だ。
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 首相は1月、来日したNATOのストルテンベルグ事務総長と会談。共同声明で日NATO関係を「新時代の挑戦を反映した新たな高みに引き上げる」と強調し、偽情報対策や宇宙、重要・新興技術分野で協力を深める重要性を確認した。外務省幹部は「NATOは偽情報対策が進んでおり、連携を強めたい」と語る。
 新たに作るのは「国別適合パートナーシップ計画」(ITPP)で、日NATO間の国別パートナーシップ協力計画(IPCP)に代わる文書となる。IPCPはサイバー防衛や海洋安全保障を優先的な協力項目に掲げているが、ITPPでは安保面など協力分野を追加する。
 ロシアのウクライナ侵攻以降、政府は「欧州とインド太平洋の安保は密接に関連している」とNATOとの連携を重視。昨年6月にスペインで開かれた首脳会議には、日本の首相として初めて岸田氏が出席した。NATO側も「パートナー国」と位置付ける日本への連絡事務所設置を検討している。
 双方が協力を深める背景には、ロシアや、覇権主義的動きを強める中国の存在がある。NATOは、昨年改定した行動指針「戦略概念」で中国の動きを「挑戦」と定義。事務総長も「偽情報を拡散している」と中国を批判している。外務省幹部は「ロシアの侵攻は欧州が対中認識を改めるきっかけになった。協力関係を一段上げたい」と語る。

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