女湯狙う窃盗団、被害1億円超 防犯カメラなしに着目か―相次ぎメンバー摘発・警視庁

東京, 11月14日, /AJMEDIA/

 スーパー銭湯など温浴施設の女湯脱衣所ばかりを狙う窃盗グループのメンバーを警視庁が相次いで摘発している。何らかの方法で入手した鍵でロッカーを開け、利用客のクレジットカードを盗む手口が共通しており、被害額は少なくとも1億円に上るとみられる。同庁は他にもメンバーがいるとみて実態解明を急いでいる。
 同庁国際犯罪対策課は昨年11月以降、中国人を中心とするグループメンバー計17人を摘発。関東地方の温浴施設数十カ所でグループの関与が疑われる窃盗被害が確認された。メンバーの女が客を装って脱衣所に侵入。「施設の室内着を着て怪しまれないようにしていた」(同庁幹部)といい、脱衣所で被害に気付いた客は一人もいなかった。
 女湯を狙ったのは防犯カメラが設置されていないことに目を付けたためとみられる。一般社団法人「温浴振興協会」(横浜市)による調査では、回答があった約130施設の約7割で男湯にはカメラが設置されていたのに対し、女湯はゼロだった。担当者は「慣習的に女湯には設置されていない。社会的に設置が許されるかは施設や利用者に考えてもらうしかない」と話す。
 グループによる窃盗被害があった横浜市の温浴施設も、清掃員による巡回や、貴重品用ロッカーの設置といった対策はしていたが、女湯に防犯カメラはなかった。今後も設置はしない予定といい、担当者は「いたちごっこかもしれないが、他の対策を強化する」と語った。
 在留カード偽造に関与したとして逮捕された別の中国人の女への捜査をきっかけに、グループの存在が浮上。メンバーは脱衣所でのカード窃盗、これを使った不正な買い物、購入品の転売など役割を分担していたとみられる。
 関係先からは温浴施設ロッカーの合鍵500本以上や、鍵を複製する機械も見つかっており、同庁はマスターキーの入手ルート解明などを進めている。

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