勝股が痛恨の1球、坂本の2ラン及ばず 女子ソフト日米対抗第2戦

東京, 8月8日, /AJMEDIA/

 女子ソフトボールの日米対抗第2戦は7日、福島県営あづま球場で行われ、日本は2-3で敗れて1勝1敗となった。日本は先発・勝股美咲(ビックカメラ高崎)が五回に3ランを打たれて先行され、打線も七回に坂本結愛(日立)が2ランを放ったが、追いつけなかった。
◇次世代間競争を勝ち抜くために
 五回に2短長打で無死二、三塁とされながら1、2番打者を打ち取り、2死まで来て3番クリングラーを迎えた勝股。引っ張る右打者に対し、吸い寄せられるように内角の甘い球を投げ、左中間へ豪快に打ち込まれた。低めへ丁寧に投げて四回まで4安打無失点。本塁打の後も気を取り直して完投したが、「最初は良くても1球で試合が決まってしまう。悔しい思いで終わってしまった」と細い声で話した。
 岐阜・多治見西高時代の2017年に日本代表入りした22歳。上野由岐子、藤田倭(ともにビックカメラ高崎)に続く投手の1人として期待され、東京五輪代表候補にも最後まで残った。
 この間、自身も含めて「1球」の重さを知る場面は何度も経験してきた。「監督にも言われてきた中で、1球で流れを壊してしまった」と申し訳なさそう。
 宇津木麗華監督は「勝股はあの1球だけだった」と、前後の投球内容を評価した。勝股も「もう一度代表に選んでいただいて感謝しているので、期待に応えたい気持ちで(試合に)入りました」というが、先輩たちに続く立場だった東京五輪前とは、置かれた状況が違う。
 1年下の後藤希友(トヨタ)が東京五輪で飛躍し、1年上の三輪さくら(同)も代表に加わった。米国でも、この日先発した右腕ファライモは19年U19ワールドカップ決勝で後藤と投げ合い、優勝した22歳。そんな次世代間のしのぎ合いを勝ち抜く強さが必要になった今、この「1球」が勝股に何をもたらすか。
◇坂本、連日の価値ある長打
 野手には収穫が少ないまま終わるかと思われた七回、先頭の市口侑果(ビックカメラ高崎)が安打で出ると、坂本が左越えに2ランを飛ばした。3-2からの9球目、「チェンジアップにうまく合った」という。
 前日もサヨナラ勝ちにつながる三塁打を右中間へ。この日の第1打席では中前打を放っている。ニトリJDリーグ前半戦でも好調だった。「強くぶつけてコンパクトに振るイメージ」のスイングが、打球の飛び方にも表れている。
 宇津木監督はこの2日間でベンチ入り選手17人を全員使ったが、ポスト五輪組では坂本だけ2試合ともフル出場させた。実は三塁の経験は少ないため、「毎日ノックを受けている」(坂本)というが、山本優の後継者にとの監督の期待が感じられる。
 だが、この日の打線はファライモの力と2番手・カーダ(ホンダ)の気迫に押された。坂本の2ランの後、代打・原田のどか(太陽誘電)の安打で出た同点の走者も、1死から内野ゴロで二塁へ進めるのがやっと。宇津木監督は若い選手に「自分の特徴で、何ができるかを考えて」と求めているという。
 守備では一回に右翼手の藤本麗(ビックカメラ高崎)が、ファウルフライをダイビングキャッチ。五回無死一塁からコワリクに右中間を破られると、藤本-市口-捕手・切石結女(トヨタ)と矢のような送球を中継し、一塁走者を三塁で止めて3282人の観客をうならせている。米国の遊撃手ライオンズもライナーを好捕し、この競技の魅力である「守る力」を見てもらう場面はあった。
 勝股の「1球」だけでなく、どの「1球」も経験になる米国との勝負。最終戦は8日、東京五輪決勝と同じ横浜スタジアムで行われる。宇津木監督は後藤の先発を明言した。

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