ぶれない思い、18年目に成果 準V導いた坂原監督―高校野球・下関国際

東京, 9月2日, /AJMEDIA/

 8月に行われた第104回全国高校野球選手権大会で準優勝した下関国際(山口)。決勝では仙台育英(宮城)に敗れたが、就任18年目の坂原秀尚監督(45)は「よくここまで戦ってくれた。諦めないことの大切さを生徒から学んだ」と、ナインをねぎらった。
 投手として社会人までプレーした後、指導者を志した。教員免許取得のために通っていた東亜大の近くにあったのが下関国際。野球部は監督が不在と知り、「何か手伝えることがあれば」と当時の校長に手紙を書いた。熱意が届き、2005年8月に部員11人を預かった。
 「グラウンドには草が生え、道具もそろわない状態だった」。就任当時をこう振り返る。初めは厳しい練習に音を上げる選手もいた。そんな部員を家まで起こしに行ったり、車で迎えに行ったりしたことも。「3年間やり切って分かることがある。やり切る素晴らしさを教えたかった」
 監督就任から1勝するまでに3年半かかったというが、17年夏に初めて甲子園へ。「できないまま練習を終わらない」という指導、「必ず甲子園に行く」とのぶれない思いで目標へと導いた。
 現在は19年12月に完成した寮で選手と寝食を共にし、「話す時間も取れ、さらに(距離が)近くなった」。今の3年生は入学当初から新型コロナウイルスの影響を受け続けた世代。「(苦境を)一緒に乗り越えてきた3年生の力が発揮できている」。近くで見てきたからこそ、成長を実感した。
 今夏は準々決勝で選抜大会優勝の大阪桐蔭(大阪)、準決勝で同準優勝の近江(滋賀)を連破。惜しくも日本一は逃したが「これからしっかりと勉強し、決勝を戦えるチームをつくってまた戻ってきたい」。実現する日もそう遠くはなさそうだ。

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